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| レーベル;GALLO(スイス) | 入手性;廃盤 | |
| CD番号;CD839 | お気に入り度;★★ | |
| 録音年月日;1994年5月 録音;DDD | 資料的貴重度;★★★★ | |
| 収録時間;48分39秒 | 音質 ;★★★ | |
これはこれは、破天荒なCDです。クララの作品で埋め尽くされてはいますが、これはクララを聴くのではなく、テレサ・ラレードの気分を聴く為のCDでしょう。選曲と演奏順序を見て戴ければ分るように、クララの最高傑作「音楽夜会」をバラバラに弾いたり、ポロネーズを逆順に弾いたりと、クララの作曲意図には余り重きを置かれず、ピアニストの感性が優先されています。マズルカをまとめるとか、ポロネーズをまとめるとか、ピアニストの意図は有るようですが、聴いていると違和感ばかりが目立ってしまいます。おまけにこのCDの記載事項は間違いだらけで、統一性も無く、CD製作にかかわった人のクララへの認識の浅さが伺い知れます。上記の収録曲目は私の方で調べ直して記載しています。
第一曲目のピアノ協奏曲第二楽章のピアノ独奏版は、このCDだけで聴けるものですが、この曲のハイライトともいえるチェロのない演奏は、効果はイマイチといったところ。演奏テンポは極めて遅く、かつ気まぐれに大幅に揺らされています。「おいおい、クララはそんな指示を楽譜に書いたかぁ?」と思わず聴いていてつぶやきたくなってしまいました。
第二曲目はJozef de Beenhouwerの全集以外では、このCDでしか聴けない曲ですが、演奏テンポが極めて遅く、且つ大きく揺らされるため、クララの曲の持つデリケートさに欠ける気がします。あまりもの演奏スタイルの違いに、初めて聴いた曲のような錯覚に陥りました。これに続く曲も概ねビックリするほど演奏テンポが遅く、かつ気まぐれで、「いい加減にしろよぉ」とピアニストに言いたくなります。
第七曲目のワルツ形式によるカプリース作品2の第七曲(このCDの曲目リストでは作品15の第七曲となっています)もBeenhouwerの全集かこのCDだけで聴ける曲です。しかもこの曲は謎とされる「クララのモットー、five falling motto」の起源とされるメロディが含まれている曲です。ローベルトのピアノソナタ第三番・作品14第三楽章「クララヴィークのアンダンティーノ」冒頭が「クララのモットー」の代表ですが、そこに現われるC-C-B-A-G-Fのメロディが、この曲では同じ調性のヘ短調でC-B-A-A-G-Fという形で現われます。詳細は「シューマン・黄昏のアリア ミシェル・シェネデール著」の29ページ目を参照下さい。この事はナンシー・B・ライクも著書の中で触れています。
この様に資料的には貴重な曲を含むCDですが、鑑賞用としてはあまりお勧めする気にならないCDです。
なお、テレサ・ラレードはボリビアとスイスの二つの国籍を持つピアニストで、スイスで現在は活躍しています。
このCDは2001年9月現在、米国のCDショップのカタログに掲載されていません。廃盤になったようです。
Modified in September 2001