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| レーベル;INTIM MUSIK(スウェーデン) | 入手性;輸入現行盤 | |
| CD番号;IMCD 060 | お気に入り度;★★★★ | |
| 録音年月日;1997年9月30日-11月12日 録音;DDD | 資料的貴重度;★★ | |
| 収録時間;68分17秒 | 音質 ;★★★★ | |
ヨハネス・ブラームス、そしてクララとローベルトのピアノ曲が収められたこのCDは、なかなかに味わい深い演奏を聴かせてくれます。嫋やかさとダイナミックさを併せ持ったと表現できるBostromの演奏スタイルは、とりわけヨハネス・ブラームスとローベルト・シューマンの曲において、最大限に活かされています。
個別の曲の内容に入る前に、このCDの曲の配置について語りたいと思います。別にCDの解説書に書いてあったわけではありませんが、曲の背景を知る者にはその意図がありありと分かるような選曲と配置がなされているからです。
ブラームスの作品118は、ブラームスの曲の中でも私が最も好きな曲の一つですが、全曲演奏としては私の持っているCDの中ではベストの演奏です。ゆったりとしたテンポの所は限りなく美しく嫋やかに、比較的テンポの速い部分では、ブラームスらしい響きを余すことなく発揮して、その対比、幅の広がりがとても豊かな演奏になっています。何度聴いても飽きない名演です。私がもしこのCDよりも前に、仲道郁代さんが「ロマンティック・メロディ」の中で弾くOp.118-2とOp.118-5に出逢っていなかったら、もろ手を挙げて狂喜乱舞していたでしょう。蛇足ですが、仲道さんの弾くOp.118の持つ信じられないような嫋やかさと情感の拡がりは、私にとっては奇跡としか言い様がありません。聴いていると涙が込み上げてきます。
クララの三つのロマンス作品21の第一曲ですが、極めてゆっくりと演奏されます。私の持っているCDの中では最もゆっくりとした演奏です。ちなみに演奏時間は6分14秒で、私の好きなCristina Ortizが4分11秒ですから、如何にゆったりとした演奏かおわかりになると思います。ひとつひとつの音符で立ち止まり、そこで感情を歌い上げるような演奏といえましょう。この曲の最も情感豊かな演奏とも言えるし、ちょっとゆっくり過ぎてリズムがぎこちなくなっている演奏とも言えます。作品21の第一曲が持っている女心の切なさはよく伝わってくる演奏である事には間違いありません。
ロマンス・イ短調もやはりゆっくりとした演奏ですが、作品21の第一曲ほどには違和感はありません。演奏時間は4分21秒で、岩井美子さんの4分17秒とほぼ同じです。クララのデリケートさがきちんと表現された聴いていてとても気持ちの良い佳演です。
三つのロマンス作品11の第一曲は、極めて標準的なテンポで弾かれます。演奏時間は3分29秒で、これは岩井美子さんと全く同じです。Cristina Ortizや岩井美子さんと並んで、クララの特色をよく表現した名演と言えましょう。これも聴いていてとても気持ちの良い演奏で、あっと言う間に3分強の時間が過ぎ去ってしまいます。
ローベルトのフモレスケですが、これも私の持っているCDの中では一番好きな演奏になりました。ゆったりとしたテンポの所は限りなく静かに嫋やかに、テンポの速い所は一転して快活に、コントラスト豊かに演奏されます。全曲を通じて醜く響く所は全く無く、常にリズミカルで、曲の色彩的な拡がりがとても幅広い印象を持ちました。
ピアニストのElisabeth Bostrom (最後のoにはウムラウトがつきます)はスウェーデン生まれで、スウェーデンで活躍するピアニストです。当地ではラジオ、テレビへの出演も多いそうです。
2001年9月現在、Amazon.comとCD Universe両方のカタログに掲載されています。
Modified in September 2001