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Clara Schumann - Robert Schumann
Works for piano and orchestra
Dana Protopopescu (Pf), Horia Andreescu (Cond.), Romanian National Radio Orchestra

レーベル;ELECTRECORD 入手性;海外現行盤
CD番号;EDC 503 お気に入り度;★★★★★
録音年月日;不明(Copy Right表記は2002) 録音;DDD 資料的貴重度;★★★★
収録時間;53分43秒 音質    ;★★★★


収録曲
  1. クララ・シューマン:ピアノ協奏曲・作品7
  2. ローベルト・シューマン:ピアノとオーケストラの為の小協奏曲・作品86(4つのホルンの為の小協奏曲のオリジナルバージョン)
  3. ローベルト・シューマン:序奏とアレグロ・アパッショナート・作品92




コメント

収録曲がシューマンおたく泣かせのCDで、録音頻度の低いクララのピアノ協奏曲・作品7、ローベルトのピアノ小協奏曲(序奏とアレグロ・アパッショナート)・作品92に加えて、殆ど幻とも言えるローベルトの4つのホルンの為の小協奏曲・作品86のピアノ協奏曲バージョンが収録されています。私の手持のコレクションの中でもピアノ協奏曲バージョンを収録したCDはこれが2枚目。シューマンおたく学会のデータベースにはこれまで3枚のCDが掲載されていますので、このCDが恐らく史上4枚目になります。

ルーマニアの彼方からamazonn.co.jpの力を借りて我が家にやって来たCDですが、これを書いている2008年1月時点ではamazonnでは品切れになっていて、入手には根気が必要な様です。しかし発売元のサイトのカタログには掲載されていますので現役盤です。ELECTRECORDは超マイナーレーベルらしく(?)、ライナーノーツの写真はピンボケ、家庭用プリンターにも劣る印刷品質、文章にはタイプミスも有り、録音データは一切無し、という家内工業的なレアものならではの雰囲気を漂わせています。しかし演奏の方はそんな不安感を吹き飛ばしてくれる優れた物でした。

まずクララのピアノ協奏曲の演奏ですが、第1楽章は標準的なテンポで、雄大に演奏されます。ピアノとオーケストラの音の重心が低く、それでいて音の分離が良いので聴いていて飽きません。この曲で問題になりがちなオーケストラが濁ったように響く傾向も良く抑えられていて、録音後発組だけあって他の録音の弱点を良く研究したかの様な演奏になっています。
第2楽章冒頭のピアノソロはゆったりと、しかし粒立ちが比較的良い音で演奏します。後から加わるチェロの音は重心が低く妖艶な音色で、ピアノを包容力をもって優しく包み込むように演奏されて、申し分の無い素敵なデュオになっています。
第3楽章は第1楽章と共通の、オーケストラをやや控えめにしながらピアノが全体をリードする演奏になっています。全体的にテンポは速過ぎず、音色は雄大で、ピアノにもオーケストラにも推進力がフィナーレに向かって満ち溢れてくる演奏で、とても良い印象を持ちました。クララのピアノ協奏曲の演奏としてはベスト3に入る1枚と言って良いでしょう。

ホルンとオーケストラで演奏される事の多いローベルトの作品86ですが、このCDに収められたピアノ協奏曲版は、楽器の特性を活かしたスピード感と推進力が溢れる演奏になっていて、流れの速い川面に太陽が射した時のような、キラキラとした響きを伴いながらぐいぐい曲を進めて行きます。それはゆったりとした第2楽章でも基本は変わらず、ピアノの音の粒立ちが保たれて、ロマンティック一辺倒には流されない、力強さと推進力を秘めた演奏になっています。
流石に名曲ピアノ協奏曲・イ短調作品54程ではないですが、ローベルトならではのリズムの妙と美しさに溢れていますので、もっと録音されて良い曲だと思います。

序奏とアレグロ・アパッショナートは、前2曲よりも少しこもった録音でやや印象が異り、ピアノの音の粒立ち感が後退し、オーケストラの強奏部が少し割れ気味になるのが気になります。しかし全体としてはスピード感と推進力を持った演奏で、かなり楽しめます。

前半2曲の録音はクリアで聴き疲れしない音質ですが、ピアニストの服か何かが擦れるような雑音が常に聞こえるのが多少気になります。最後の曲は少しこもり気味ではありますが、大きな問題となるレベルではありません。音楽を聴く上では総じて不満の少ない録音です。

ピアニストのDana Protopopescuは(多分)ルーマニア人。首都ブカレストで音楽を始めて、ドイツ・ハノーヴァの高等音楽院ではシューマンのピアノ曲全集を残したカール・エンゲルに師事し、最終的にはブリュッセル王立音楽院を卒業しています。このCDの他にはチャイコフスキーのピアノ曲全集とか、フンメルのピアノ協奏曲とかを録音しています。
Horia Andreescuはブカレスト・フィルハーモニーオーケストラの指揮者で、ブカレスト音楽アカデミーに学んだそうです。



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