シューマン夫妻に関する映画やTV番組で、日本で観る事ができる(できた)のは私の知る限りで四つあります。
映画「愛の調べ」は1947年に発表されたモノクロ映画で、VHS時代は入手も難しく幻の作品でした。しかし最近は著作権が切れた為に廉価なDVDで発売されていまして、容易に入手可能になっています。
映画「哀愁のトロイメライ」は原題が「春の交響曲(Fluhlings Sinfonie)」で、1982年に発表されました。こちらも同様にVHS時代は入手が難しく幻の作品でしたが、現在は通常価格でDVDが発売されています。
TV番組「シューマンの失われたロマンス」は1996年イギリスで製作されました。日本では1997年6月20日 及び 2001年11月30日にNHK BS2にて放映されましたが、残念ながらDVDなどの入手は出来ません。
映画「Clara」は2007年にドイツで発表され、日本(新宿)で初上映された際には「クララ・シューマンの愛」という題が付けられました。しかし全国ロードショーするにあたり「クララ・シューマン 愛の協奏曲」という題名に変更されました。2009年7月25日、渋谷Bunkamuraでのロードショーを皮切りに全国で公開されました。DVDも発売されています。
映画「愛の調べ」
映画「哀愁のトロイメライ」
TV番組「シューマンの失われたロマンス」
映画「クララ・シューマン 愛の協奏曲」
2009年7月25日、渋谷Bunkamura ル・シネマでのロードショーを皮切りに、全国で上映されました。
映画「クララ・シューマンの愛」(原題 Clara)
2008年10月31日及び11月3日
ドイツ映画祭2008の1プログラムとして、新宿バルト9にて上映。
この映画はヘルマ・サンダー・ブラームス監督の「ブラームスは女たらしでクララと出来ていた。またローベルトは精神異常で晩年はまともに音楽活動が出来なかった」というシンプルなメッセージ(現在の歴史観に対するアンチテーゼ)で全編が脚色されており、従ってストーリーはフィクションで、ほぼ全ての場面が史実とは異なっています。またシューマン夫妻、ブラームスの様々な曲が登場し、場面の中で意味づけされていますが、実際の作曲年代、作曲背景とは乖離していて、それら全てを熟知している私にとっては目茶苦茶な映画でした。この映画を見た殆どの人はシューマン夫妻とブラームスの史実をご存知ありませんから、この映画のストーリーが事実であると誤解されたでしょう。その点ではとても残念な映画です。それはさておいても、私にはストーリーの奥にあるメッセージが単純すぎて、深みに欠ける様に感じました。
気が向けば、後日より詳細な解説を追加するかも知れません。
監督/脚本: ヘルマ・サンダース・ブラームス
出演: マルティナ・ゲデック(クララ)、パスカル・グレゴリー(ローベルト)
マリック・ジディ(ブラームス)
製作: 2007年、ドイツ
インテグラル・フィルム & ヘルマ・サンダース・フィルムプロダクション
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