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愛の調べ クララ・シューマン作品集
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Helene Boschi (エレーヌ・ボスキ ピアノ)
Annie Jodry (アニー・ジョドリー ヴァイオリン)
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レーベル;ビクター(日本)/APROCHE/CALLIOPE(フランス) |
入手性;輸入現行盤 |
CD番号;国内盤VICC-50 /輸入盤CAL 6211 / CAL 4211 |
お気に入り度;★★★ |
録音年月日;1984年 録音;DDD |
資料的貴重度;★★ |
収録時間;71分02秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
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3つのプレリュードとフーガ 作品16
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3つのロマンス 作品21
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ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 作品20
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束の間の小品 作品15から、第3曲
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ロマンス ロ短調
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3つのロマンス 作品11
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ヴァイオリンとピアノの為の3つのロマンス 作品22
コメント
ピアノ曲で、まるごと一枚クララの作品を収めたCDとしては、初めて国内盤として発売されたCDです。私がまだ輸入盤に手を染める前に、初めて入手したクララのCDでした。この時にクララの素晴らしさの片鱗をつかみ、これが後日のBeenhouwerの全集購入、ひいてはクララマニアへの道につながっています。
演奏は優れています。第一曲の作品16、三つのプレリュードとフーガの演奏はテンポを遅めにとり、一つ一つの音符を丁寧に、誠実に、或る意味で過度の感情表現を避けて、比較的粒立ち良く弾いて行きます。これは少しフォルテピアノ的な響きを持つピアノの音色、特性にもよると思います。だからといって、演奏が淡白なわけではありません。このスタイルは作品21、三つのロマンスでも同様です。作品20、ローベルトシューマンの主題による変奏曲は極めてゆったりとしたリズムで、フォルテピアノ的な素朴な音色で誠実に弾かれていて、これはこれで存在感のある演奏といえます。一つ一つの和音を粒立ち良く、切り分けるように弾くのは個性的と言えましょう。作品15ー3、ロマンスロ短調も素朴でゆったりとした演奏です。作品11の第1曲からは一転して、リズム良く弾かれます。Ortiz盤の所で、この演奏でOrtizにかなう演奏は無いと書きましたが、有るとすればこのCDの演奏でしょう。傾向は全く異なり、極めてゆったりとしたリズムで陰影深く弾くOrtizに対して、Boschiはテンポ良く、しかし内向的に弾くのです。私が一番最初に好きになったクララの曲であり、演奏です。
ヴァイオリンとピアノの為の3つのロマンス作品22は、極めて美しいヴァイオリン曲です。この曲を聴き慣れると、著名な作曲家のヴァイオリンソナタがなんて堅苦しいのだろうと思ってしまうほど、優しさと美しさに溢れた曲です。もちろんこのCDの演奏もとてもチャーミングです。素朴なピアノの音の上に、これも素朴だけど色っぽいヴァイオリンの音が乗り、比較的早めのテンポながら陰影がしっかりした演奏です。
一時期は国内盤、海外盤共に廃盤となりましたが、CALLIOPE CAL4211として再発売になりました。新しいタイトルは「Clara
Schumann 10 Romances Pour Piano」です。(2007.8.15追記)
Updated in September 2001
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