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Orgelmusik aus der Traukirche
von Clara und Robert Schumann
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Johannes Oebhardt (Org)
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レーベル;プライベート盤 |
入手性;本文参照(市販されていません) |
CD番号;無し |
お気に入り度;★★★★★ |
録音年月日;2001年5月21-24日 録音;DDD |
資料的貴重度;★★★★★ |
収録時間;62分37秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
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Carl Ferdinand Becker:Stuck in D dur, 12 Werk Nr.5
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Carl Ferdinand Becker:Choralfass Nr. 26 "Dir dir Jehova will ich fingen"
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ローベルト・シューマン:バッハの名による6つのフーガ作品60-1、フーガ1
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ローベルト・シューマン:バッハの名による6つのフーガ作品60-5、フーガ5
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ローベルト・シューマン:ペダルピアノの為のスケッチ作品58-2、Nicht schnell
und sehr markiert, E-dur
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ローベルト・シューマン:バッハの名による6つのフーガ作品60-3、フーガ3
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ローベルト・シューマン:バッハの名による6つのフーガ作品60-2、フーガ2
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クララ・シューマン:プレリュードとフーガ作品16-2、プレリュード
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クララ・シューマン:プレリュードとフーガ作品16-2、フーガ
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ローベルト・シューマン:ペダルピアノの為のスケッチ作品58-1、Nicht schnell
und sehr markiert, c-moll
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ローベルト・シューマン:バッハの名による6つのフーガ作品60-4、フーガ4
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ローベルト・シューマン:ペダルピアノの為のスケッチ作品58-3、Lebhaft, f-moll
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ローベルト・シューマン:ペダルピアノの為のスケッチ作品58-4、Allegretto,
Des-Dur
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ローベルト・シューマン:バッハの名による6つのフーガ作品60-6、フーガ6
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フェリックス・メンデルスゾーン:Nachspiel (後奏曲)D-Dur
コメント
シューマン・ファン/シューマニアーナにとって、このCD程にマニアックでレアで貴重なものは他に無いかも知れません。
CDのタイトルを和訳すると、「クララ&ローベルト・シューマンが結婚式を挙げた教会で演奏されたオルガン作品集」となります。文字通りクララとローベルトが結婚式を挙げた、ドイツ・ライプツィヒ、シェーネフェルト記念教会のオルガンで演奏された、クララとローベルトの作品を主とするオルガン曲集です。これだけでも貴重ですが、このCDは市販されていません。2007年6月30日に私がシェーネフェルト記念教会を訪問した際に牧師さんから直接譲り受けたもので(価格は20ユーロ)、牧師室の鍵付きの棚に数十枚が保管されていました。このCDには通し番号が刻印されていて、私が入手したCDは77番。録音が2001年で同年にCDも制作されているようなので、6年経って配布された枚数がたった80枚程度の様です。同行した知人と私が合わせて3枚を日本に持ち帰りましたが、この3枚以外には日本には無いかも知れません。教会では通販などしておりませんので、このCDを入手するにはシェーネフェルト記念教会を訪問して牧師さんにお願いしなければならないでしょう。
数あるCDの中でも、このCDの装丁は飛び抜けてエレガントです。市販を意識していない極致とも言えるジャケットデザインで、表面には文字が一切印刷されておらず、従ってタイトルもCD番号も何も無く、オフホワイトの上質な厚紙の正面に有名なシューマン夫妻のレリーフがプレスされているだけです。ジャケット全体は一冊の本の様になっていて、裏表紙にCDが収納されます。本文は古き良きドイツを感じさせる「ヒゲ文字」(フラクトゥール)で印刷されており、優雅な雰囲気を漂わす一方で、その文字に慣れていない私は読解に苦労しました(アルファベットひとつひとつの辞書が必要でした)。
表面にCDを表す文字が何もないジャケット(左上)。市販を考えたらあり得ないデザインですよね。二枚めくると出てくるCDのタイトル(右上)。この様にヒゲ文字で書かれています。もう1枚めくると、CDの通し番号があります(下)。私のCDは77番です。解説文もヒゲ文字で書かれています。
シェーネフェルト記念教会のオルガンはさほど大きなものではありませんので、演奏の方はあまり期待していなかったのですが、最初の曲を聴いた瞬間から引き込まれました。大教会のオルガンの様な「地を這う重低音」こそありませんが、非常に美しい、素直な透明感のある音色です。録音はアナログ録音の様な僅かなヒスノイズが聞こえますが、音質そのものはクリアです。演奏も高水準で、妙な癖も無く、素直でありながらニュアンスに富んだ音楽を届けてくれます。
収録曲ですがローベルトの作品58「ペダルピアノの為のスケッチ」と作品60「バッハの名による6つのフーガ」全曲がバラバラの順番で録音されています。クララの曲は作品16「プレリュードとフーガ」から第2曲のみが収録されていますが、全曲でないところがチョット残念です。作品16はとりわけ第1曲がチャーミングなのでせめて第1曲も収録して欲しかったですね。
冒頭を飾るカール・フェルディナンド・ベッカーは三省堂の音楽作品名辞典に掲載されていない、日本では知られていない音楽家ですが、1804年7月17日にライプツィヒで生まれ、1877年10月26日に亡くなった人で、ライプツィヒ音楽大学の最初のオルガン教授。オルガン音楽研究では当時の第一人者で、バッハにとりわけ傾倒していたそうです。冒頭の2曲はコンサートの始まりとして相応しい壮麗さを備えた曲で、ローベルトの曲が渋めに響くので良い選曲に聞こえました。最後のメンデルスゾーンの曲はフィナーレを飾るのに相応しい響きを持った曲です。しかし彼の曲の中ではマイナーで、三省堂の音楽作品名辞典には掲載されていませんでした。
シェーネフェルト記念教会の詳細については、こちらも参照下さい。
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