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Clara Schumann Klavier-
und Kammermusik
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Micaela Gelius(Pf), Sreten Krstic(Vn),
Stephan Haack(Vc)
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レーベル;ARTE NOVA(ドイツ) |
入手性;輸入現行盤 |
CD番号;74321 72106 2 (2006年盤 ANO 721060) |
お気に入り度;★★★★★ |
録音年月日;1999年9月24-26日 録音;DDD |
資料的貴重度;★★ |
収録時間;70分57秒 |
音質 ;★★★★★ |
収録曲
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スケルッツォ 作品14
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三つのロマンス 作品21から第一曲
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音楽夜会 作品6から第一曲 Toccatina
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三つのロマンス 作品11から第一曲、第二曲
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ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 作品20
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ヴァイオリンとピアノの為の三つのロマンス 作品22
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ピアノ三重奏曲 作品17
コメント
英語表記でClara Schumann Piano and Chamber Musicと題されたこのCDは、とてもとても素晴らしいCDです!
さて、どの素晴らしさから話を始めましょうか。
一聴して最初に「ハッ!」と思ったのが音質の素晴らしさです。前半のピアノ独奏曲に於けるピアノが、低音域の極めてゆったりとした、それでいてとてもクリアな粒立ちの良い音で録音されています。一方、後半の室内楽では、個々の楽器の定位が明快で、奥行き、拡がり感ともに申し分なく、音も非常にクリアでレンジの広い物です。並みのCDとは画然と違う音質は、ポータブルCDプレーヤー(通勤時に聴いています)でもすぐに分るもので、家のオーディオシステムで聴くと、更にはっきりと違いが分り、非常にクリアな音場空間が拡がります。
さて、演奏の方に話題を移しましょう。ピアニストのMicaela Geliusはクララの歌曲全集でRan
Laoの伴奏を務めた人です。歌曲伴奏の時にはLaoの熱唱の影に回って、正直に行って余り存在感を感じるピアニストではありませんでしたが、このCDの前半のピアノ独奏曲を聴いて、私はGeliusの虜になってしまいました。前述の極めて豊かな音の中で、情感豊に奏でるクララのメロディ。そのメロディの末尾の部分にホンのちょっとだけGeliusならではの変化を加えています。しかしそれが決して不自然ではなく、却ってクララの嫋やかさを効果的に引き立てているように聞こえるのです。
ちょっとだけ残念なのは...このCDの唯一の弱点ですが...作品6、作品11、作品21が全曲録音では無い事です。この素晴らしい演奏で、クララの中でも一段と際立って美しいこれら三作品を全曲で聴いてみたいと思うのは私だけではないと思います。
室内楽に曲が進むと、またまた大きな悦びが私を待ち受けていました。何と妖艶な、何と艶やかな、何と可愛らしいヴァイオリンの音色!クララの作品22「ヴァイオリンとピアノの為の三つのロマンス」は、この楽器の組み合わせの曲の中ではずば抜けて可憐な曲ですが、これをこの上も無く可憐なヴァイオリンの音色で奏でられると、もう例えようも無いくらいに美しい....この演奏はクララの作品22のベストです。ちなみに使われているヴァイオリンは1711年製のストラディヴァリウスです。
ピアノ三重奏曲作品17も、もう何も言うことはありません。素敵なピアノ、可憐で表情豊かなヴァイオリン、そして情感豊かなチェロの奏でる作品17は、何度聴いても飽きることがありません。ABEGG
Trioの奏でる作品17と並んで、Gelius Trioの演奏は、クララのこの曲の双璧をなすもの言って良いと思います。
この様な素晴らしいCDが輸入盤で500円〜900円で購入できます。このCDは2008年現在現役で、大都市の大きなCDショップなら店頭購入も可能です。注文なら問題なく地方のCDショップでも入手できますので、是非入手してみてください。なお2006年に再プレスされて、ジャケットデザインが右の物に変わりました。
Modified in September 2001
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