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Robert & Clara Schumann
: Lieder
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Barbara Bonney (Sop), Vladimir Ashkenazy
(Pf)
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レーベル;LONDON(USA盤) |
入手性;国内/輸入現行盤 |
CD番号;452 898-2 |
お気に入り度;★★★ |
録音年月日;1996年2月 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;68分59秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
ローベルト・シューマン;
ミルテの花・作品25から
第1曲;献呈
第3曲;胡桃の木
第7曲;蓮の花
第9曲;ズライカの歌
クララ・シューマン;
F.リュッケルトの「恋の春」からの12の歌・作品12から
第2曲;彼はやってきた
第4曲;美しさゆえに愛するのなら
すみれ(作品番号無し)
ローレライ(作品番号無し)
我が星(作品番号無し)
ローベルト・シューマン;
女の愛と生涯・作品42(全8曲)
クララ・シューマン;
6つの歌曲・作品13(全6曲)
ローベルト・シューマン;
リーダークライス・作品39から
第3曲;森のささやき
第5曲;月の夜
時は春(子供のための歌のアルバム・作品79、第23曲)
あこがれ(リートと歌、第二集・作品51、第1曲)
私の美しい星(恋の調べ・作品101、第4曲)
ミニヨン(子供のための歌のアルバム・作品79、第28曲)
コメント
クララの曲を収めたCDとしては、数少ないメージャーレーベルのCDで、しかもボニー&アシュケナージというビッグネームによる演奏です。私は輸入盤(というか、海外からの直接購入)を入手しましたが、国内盤(ロンドン
POCL 1727)も発売されており、このCDからクララの片鱗を知るに至った方も多いのではないかと思います。
ボニーの歌唱は、ラン・ラオほどの色気とクリスタル感は無い物の、透明感溢れる声で、聴いていて心地よい物です。全体的には過度な抑揚を付けずに誠実に歌っています。さすがは一流の歌手で、細かい部分のニュアンスに至るまで手抜きがありません。
伴奏のアシュケナージですが、何故か私の耳とは相性が悪く、彼のCDは殆ど持っていません。LPを含めてかなりの枚数を購入したことがありましたが、「もう一度聴いてみよう」という気分になれずに処分してしまいました。その経験がこのCDをこれまで購入しなかった理由です。今回もアシュケナージのピアニズムに耳が行ったのですが、伴奏という事もありピアノ独奏曲ほどのアシュケナージズムは目立ちません。比較的心地よく聴くことが出来ました。しかしローベルトとクララの歌曲ですからピアノが主役を務める部分も多く、そこでは大きな「?」が目の前に浮かぶ伴奏もあります。
私が最も好きなローベルトの歌曲は、リーダークライス作品39の第5曲「月の夜」です。ここでのピアノ伴奏の音は、月夜の空気感、淡く月の光が大地に降り注ぐ感じが欲しいのです。私はこの曲の沢山の演奏を持っており、殆どのピアニストがここでは弱音で、一つ一つの音の大きさをこまめに変えて、まるでホタルの光が点いたり消えたりしながら漂うかのような伴奏をします。しかしアシュケナージは見事に全部の音を揃えてしまい、それはまるで夜間の交差点の点滅信号の様です。それもまた月夜かもしれませんけど...私には要りません。
それ以外にもアシュケナージのピアニズムは、どうも抑揚の付け方、リズムの取り方が「ちょっと違うんじゃないの?」と思える部分があります。
とはいえ、ボニーの歌唱にも助けられて、全体的には高レベルな演奏です。しかしこのCDよりも優れた演奏があるのもまた事実。このCDでクララの音楽に初めて触れられた方は、是非他のCDを聴いてみてください。
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