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Clara and Robert Schumann
Complete Original Works for
Violin and Piano
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Andrew Hardy (Vn), Uriel Tsachor (Pf)
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レーベル;OLYMPIA(英国) |
入手性;海外現行盤(要・海外発注) |
CD番号;OCD 356 |
お気に入り度;★★★ |
録音年月日;1991年9月5-8日 録音;DDD |
資料的貴重度;★★ |
収録時間;79分14秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
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クララ・シューマン;ヴァイオリンとピアノの為の3つのロマンス・作品22
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ローベルト・シューマン;ヴァイオリンソナタ第1番・作品105
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ローベルト・シューマン;ヴァイオリンソナタ第2番・作品121
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ローベルト・シューマン;ヴァイオリンソナタ第3番
コメント
このCDはUriel Tsachorがピアノを受け持つシューマン夫妻のヴァイオリンとピアノの曲を集めたものです。Tsachorはクララのピアノ曲集を録音していますが、その時の演奏はデリカシーに欠ける荒々しいもので褒められた物ではありませんでした。その経験があるのでこのCDの購入も延び延びになっていました。
ヴァイオリンを受け持つAndrew Hardyは1960年アメリカ生まれの若いヴァイオリニストで、15歳でボストン交響楽団との競演ソリストとしてデビューしています。ジョーンズ・ホプキンス大学を1982年に卒業した後はソリストとしてアメリカ国内で活躍しています。このCDでは1793年Josef
Guadagnini, Cremonaという古いヴァイオリンを用いています。
TsachorのCDとあってその内容には疑心暗鬼でしたが、今回のCDはヴァイオリンの良さにも助けられて水準以上の演奏になっています。
クララのロマンスの1曲目は非常に緩やかなテンポで演奏され、すすり泣くような素朴なヴァイオリンの音色にもマッチして、とてもチャーミングなものになっています。2曲目は標準的なテンポに変わり、細部の節回しへの感情移入があまり見られない比較的淡白な演奏になっています。3曲目は推進力を持ったやや速めのテンポ。ヴァイオリンの音色は以前として素朴ですが、演奏の方は一段と感情移入が少ない淡白な演奏です。ピアノ伴奏のリズムをはっきりと刻む様な、ちょっとデリカシーに欠ける鍵盤タッチが気になりました。このペアの演奏は、テンポをゆったりと採ればヴァイオリンの豊かな表情にも助けられてチャーミングな演奏になりますが、速いテンポだとヴァイオリンの音色の良さを活かしきれずに淡白な演奏になるという印象を持ちました。
ローベルトのソナタは、珍しい第3番まで含まれています。全体的な演奏水準はそれなりだと思いますが、感情の起伏の激しいパート、強奏パートでのヴァイオリンの表現力の限界(音量があまり出ない楽器を無理して鳴らしている感じがあります)と、ピアニストの強力な鍵盤タッチによって、個人的には少し欲求不満になる演奏になっています。しかし楽器の限界まで使う演奏を好む人には良い演奏とも言えるでしょう。緩やかなテンポのパートではクララのロマンス同様に、素朴なヴァイオリンの音色と優しいピアノ伴奏による、穏やかなひとときを味わう事が出来ます。
このCDの入手性は不安定です。Amazon.comでは入手可能とBack Orderを繰り返しています。国内のCDショップではこのCDを見掛けたことがありません。
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