1833年頃からクララとローベルトはお互いを深く愛する間柄になりました。その後ふたりの間で結婚の意思を確認しあったのは何度かありますが、後年ふたりが正式な婚約記念日としたのは1837年8月14日でした。その後の9月13日、クララ18歳の誕生日に父フリードリッヒ・ヴィークに結婚の許可を求めましたが、ヴィークの猛烈な反対に遭い、争いは裁判にまで発展しました。しかし1840年8月に裁判はローベルト側の勝訴に終わり、無事結婚の許可も下り、クララとローベルトは1840年9月12日、クララ21歳の誕生日の前日にシェーネフェルトの教会で結婚式を挙げました。この時の参列者の中に父フリードリッヒ・ヴィークの姿はなく、クララの実母マリアンネ・バルギールと友人のエルンスト・ベッカーの２人だけが見守る中で、ウィルデンハーン牧師の下でささやかに執り行われました。

このクララとローベルトの結婚にまつわる苦難話は音楽史の中に燦然と輝くロマンスとして語り継がれています。それゆえに、この教会も多くの人に知られる事になりました。

教会の正式名称はEvangelisch-Lutherische Gedächtniskirche Schönefeld （福音ルーテル派・シェーネフェルト記念教会）。プロテスタントの福音ルーテル派（ルター派）教会のザクセン教区に属する教会です。

教会の歴史は古く、いつ頃から教会があったのか、どうも教会自身も知らないようです。当初の建物は1813年のライプツィヒの戦い（諸国民戦争とも言う。1813年10月16日〜18日にロシア、プロイセン、オーストリー連合軍と、ナポレオンが率いるフランス軍がライプツィヒで戦い、ナポレオンが敗退した戦争）で完全に破壊され、1820年に恐らく現在の物に近い形の建物に建て直されました。
その後、建物は1915〜16年に再度の改築を受けて現在に至っています。1916年3月19日に現在の建物が完成した際に、1813年のライプツィヒの戦いの戦場となったこと、及び1870〜71年の普仏戦争、1914年から始った第一次世界大戦の犠牲者を悼み、Gedächtniskirche という名前がつけられたそうです。Gedächtnisとは英語のMemorialに相当する言葉で、記念、追悼、慰霊などの意味合いがあります。

教会の歴史に最後には誇らしげに「1840年9月12日、作曲家ローベルト・シューマンとピアニストのクララ・シューマンが教会で挙式した」と書いてありました。

シェーネフェルト記念教会のサイトはこちらです。
http://www.matthaeusgemeinde-leipzig.de/