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PIANO TRIOS Clara Schumann, Bruch, Dvorak
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The Yuval Trio
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レーベル;Romeo Records |
入手性;輸入現行盤 |
CD番号;7225 |
お気に入り度;★★★ |
録音年月日;Clara '87, Bruch '84/3, Dvorak '85/7 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;74分21秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
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クララ・シューマン;ピアノトリオ・作品17
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ブルッフ:ピアノトリオ・作品5
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ドボルザーク;ピアノトリオ第2番・作品26
コメント
Yuval Trioはジャケットの写真の通り、中年男性三人によるピアノトリオです。1969年に設立されて26年以上にわたり活動し、数多くの録音を残していますが、現在は解散しているそうです。ピアニストのJonathan Zakは現在イスラエルのテルアビブ音楽大学で教授をしており、ヴァイオリニストのUri Piankaは米国ヒューストン交響楽団のコンサートマスターを、チェリストのSimca Heledはポーランドのポメラニア・フィルハーモニーの常任指揮者をしています。
このCDに収められた曲は別々の時期に演奏されたものを寄せ集めた物で、クララのトリオは1987年にスペイン・マドリッドで行われたコンサートのライブレコーディング、ブルッフのトリオは1984年3月にエルサレムでのライブレコーディング、ドボルザークのトリオは1985年7月にラジオ・フランスの放送の為に収録された物です。いわゆるCD発売を目的にスタジオ収録された物ではないので、デジタル録音でありながら音質面には70年代前半のアナログ録音の様なレンジの狭さや、こもった感じがつきまといます。
このCDを2週間以上に渡って聴いていましたが、目立った特徴が見当たらず、演奏の印象をどのように表現するかかなり悩みました。全てに中庸で、真面目過ぎる、というのが私の心に残った言葉です。録音がクリアでは無い為かも知れませんが、兎に角弦楽器が妖艶には歌いません。弱音部分でそれなりにビブラートも利かせてニュアンスを込めているのは分るのですが、甘さやデリケートさではなく、骨太な弱音を耳に届けてきます。一方の強奏部では力強い弓さばきを見せますが、しかし奏者同士がぶつかり合うような情熱的な掛け合いは薄く、クールで坦々とした強奏が繰り広げられます。
ドボルザークのトリオの様な骨太な音楽であれば、このトリオのスタイルでも有る程度充実感のある音楽になっていますが、ブルッフや、それにも増してクララのトリオの様に力強さと繊細さの同居、静かな中にも妖艶な情熱表現が求められる音楽だと、大きな満足感に浸ることは難しいと思います。
ただ、演奏に粗は有りませんので、10回以上聴き直しても嫌になる事は有りませんでした。
このCDは2008年4月現在、大手インターネットCDショップのリストに掲載されています。
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