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Schone Wiege meiner Leiden
Clara & Robert Schumann, Brahams, Lieder & Briefe
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Werner Güra (Tenor), Christoph Berner (Pf)
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レーベル;harmonia mundi s.a. |
入手性;海外現行盤 |
CD番号;HMC 901842 |
お気に入り度;★★★★ |
録音年月日;2003年11月 録音;DDD |
資料的貴重度;★★★ |
収録時間;59分31秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
ヨハネス・ブラームス:49のドイツ民謡集 WoO.33より
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第1曲、美しい羊飼いの娘よ、私に話して
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第5曲、太陽はもう照らない
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第6曲、谷間に
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第41曲、あの谷に一本の菩提樹が立っている
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第11曲、娘さん、一緒に行こうか
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第12曲、かわいい恋人よ、素足で来ないで
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第25曲、私の彼女はばら色の唇をしている
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第15曲、お姉さん、私たちはいつ家に帰るの
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第28曲、主人が家来を連れて馬で行く
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第42曲、静かな夜に
※上記曲名と曲順は三省堂のクラシック音楽作品名辞典による
クララ・シューマン
- 彼はやってきた・OP.12-2
- なぜ他の人に尋ねるのか・OP.12-11
- ひそやかな語らい・OP.23-3
- 私は暗い夢の中で立っていた・OP.13-1
- 彼らは愛し合っていた・OP.13-2
- 花よどうして泣くの・OP.23-1
- それはある日のこと・OP.23-5
ローベルト・シューマン:リーダクライス・作品24
- 私が朝起きると
- 私はやるせぬ思いで
- 私は木陰をさまよい
- いとしい恋人、君の手を
- 私の悲しみの美しいゆりかご
- 待て、荒れくれた船乗りよ
- 山と城が見下ろしている
- 私は初めから殆ど望みを持たず
- ミルテと薔薇の花をもって
コメント
ローベルト、クララ、ヨハネスの三人を取り上げたCDで、クララの歌曲としては少数派の男声による歌唱です。作曲年で並べると、ローベルトのリーダークラスが1840年。クララの歌曲は作品12、13、23が織り交ぜられていますが、作品12と13が1840〜42年、作品23は1853年です。ブラームスのドイツ民謡集は1854〜58年ですから、クララの歌曲が残り二人との関係を膠(にかわ)の様に繋いでいる選曲となっています。
なお、タイトルの最後に「Lieder & Briefe(歌と手紙)」とありますが、CDの中に手紙の朗読はありません。その代わりに解説書が厚く、「Clara, Robert and Johannes, A Musical Correspondence」と題されて三人の関係に関する解説と、三人の間で交わされた数多くの手紙が独仏英三カ国語で掲載されています。音楽と共に解説書で三人の関係に思いを馳せるCDになっています。資料的貴重度が三つ星なのは、掲載されている手紙資料によります。
Werner Güraは仲々の美声で、男の私が言うのも変ですが、とてもイケメンの声をしています。解説書には彼の写真も載っていますが実際にイケメンかどうかのコメントは避けまして、CDだけを聴いていると若い男性の美声に浸る事が出来ます。
最初のブラームスの民謡集は柔らかく、情感込めて歌い上げて絶品の出来栄えになっています。クララの最初の曲「彼はやってきた」は一転とてもパワフルに歌い、ちょっと面を食らいましたが、2曲目からはパワーダウン、クララの曲らしくしっとりと歌い、男声によるクララの歌曲でありながら結構楽しめました。ローベルトのリーダークライスは柔らかさとパワフルさを織り混ぜて歌いますので、変化やコントラストに富んでおり、こちらも楽しめました。
テノールのヴェルナー・ギューラはドイツ・ミュンヘンに生まれて、ザルツブルグのモーツアルテウム音楽大学を卒業しています。その後1990年代半ばからオペラを中心に多方面で活躍しているとの事です。
ピアニストのクリストフ・ベルナーは1971年ウィーン生まれ。ウィーン国立音楽大学をを卒業後、マリア・ティーポに師事しマスターコースを修了。幾つかのコンクールで入賞を果たし、現在はソリスト、室内楽奏者、歌曲伴奏者として世界中で活動しているそうです。売り出し中の若手という所でしょうか。
録音に粗は無く、音楽を十二分に楽しめる音質になっています。このCDは2009年1月現在で現役盤でアマゾンのリストにあります。
上記のCDと同じ音源によるクララの歌曲を3曲だけ収録したCDがありますので併載しておきます。
Lied -BEETHOVEN, SCHUBERT, SCHUMANN, BRAHMS, WOLF, DVORAK, KORNGOLD-
Bernarda Fink (Ms), Dietrich Henschel (B), Werner Güra (T)
Jan Schultsz, Roger Vignoles, Helmut Deutsch, Michael Schafer, Christoph Berner (Pf)
harmonia mundi HMX 2908186.88
メゾソプラノのフィンク、バリトンのヘンシェル、テノールのギューラを聴き比べられる3枚組みのCDで、クララの曲はCD3のギューラのディスクに収録されています。ギューラのディスクの収録曲は上記CDとは一部異り、違う音源によるローベルトの「詩人の恋」、シューベルトの歌曲が含まれています。右にあるCD裏面の収録曲リストはクリックすれば拡大しますので詳細はそちらを御覧下さい。クララの歌曲は「彼はやってきたOP.12-2、彼らは愛し合っていたOP13-2、それはある日のことOP.23-5」が収録されています。
ギューラは勿論ですが、メゾソプラノのフィンクも仲々の美声です。歌曲名曲集として、あるいは三人の歌手の聴き比べにはとても良いCDですが、上記CDよりも枚数が多く高価で、クララの曲数は逆に減っていますので、クララの歌曲を聴くために入手する意味は無いでしょう。
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