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The Eternal Feminine
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Susanne Mentzer (Mezzo-Soprano), Craig Rutenberg (Pf)
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レーベル;KOCH International Classics |
入手性;廃盤 |
CD番号;3-7506-2 HI |
お気に入り度;★★ |
録音年月日;2000年8月7日 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;66分18秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
クララ・シューマン
- なぜ他の人に尋ねるのか・OP.12-11
- 彼女の肖像(私は暗い夢の中で立っていた)・OP.13-1
- 彼らは愛し合っていた・OP.13-2
Alma Schindler Mahler
- Laue Sommernacht
- Bei dir ist so Traut
- Ich wandle unter Blumen
Rebecca Clarke
- The Seal Man
Lili Boulanger:Selections from Clairieres dans le ciel
- Si tout ceci n'est qu'un pauvre reve
- Nous nous aimerions tant que nous tairons nos mots
- Vous m'avez regarde avec toute votre ame
Libby Larsen:Love After 1950
- Boy's Lips
- Blond Men
- Big Sister Says
- Empty Song
- I Make My Magic
Elinor Remick Warren
- God Be in My Heart
- Heart of a Rose
Rebecca Clarke
- Come, Oh Come
- Cloths of Heaven
Elinor Remick Warren
- To a Blue-Eyed Baby
Rebecca Clarke
- Infant Joy
- Cradle Song
Lisbeth Alexander-Katz
- Wiegenlied
- Von den Engeln
- Wenn's Kindchen gefallen ist
- Schneckenlied
Amy Cheney Beach
- Wouldn't That Be Queer?
コメント
女性作曲家の作品を集めたCDですが、クララとそれ以外の人達の時代が離れているので、クララを基準にすると性格的な統一感が感じられず、他の人を基準にするとクララが場違いな印象を持つCDです。ご参考までに各作曲家の生年-没年を並べておきましょう。
クララ・シューマン | 1819-1896 | 生年差 |
アルマ・マーラー | 1879-1964 | 60 |
リリ・ブーランジェ | 1893-1918 | 84 |
リビィ・ラーセン | 1950- | 131 |
レベッカ・クラーク | 1886-1979 | 67 |
エリノア・ワーレン | 1900-1991 | 81 |
リズベト・カッツ | 1867-1947 | 48 |
エイミー・ビーチ | 1867-1944 | 48 |
この中でクララと共に聴いて違和感の少ないのは、生年の一番近いリズベト・カッツとエイミー・ビーチ、そしてアルマ・マーラーの一部の作品ぐらいで、あとは現代音楽特有のメロディらしいメロディの無い、不協和音に満ちたドロドロとした世界が拡がっています。私は現代曲やそれに近い曲が好きではないので、それらのコメントは割愛しましょう。
リズベト・カッツは私の手持の資料には登場しない人物で、インターネットで検索してもこのCDが引っ掛かるだけという未知の作曲家です。CDの解説書によれば当時はドイツ領だった現在のポーランド・フロツワフで生まれ、ドイツでピアニストとして活躍した人だそうです。またブラームスの弟子だったとも伝聞されているようで、それがクララからあまり距離感を感じない作風になっているのかも知れません。ここに収録されている曲は解説書によればこれらはカッツの孫のために作曲した曲だそうで、実際に聴いてみても子供向けの明るく楽しい曲です。
エイミー・ビーチはアメリカ・ニューハンプシャー州の生まれで、このCD解説で何度か登場していますが、室内楽では近代フランス的な響きを持つ作品を残した一方で、歌曲はロマン派からさほど距離感の無い、聴きやすい音楽を残しています。このCDに収録されている曲は、古いアメリカの流行歌を聴いているような雰囲気で、型式張らない楽しげな曲です。
さて、クララの三曲ですが、良い言葉が見つかりませんが「庶民的」、あるいは「のど自慢大会的」な歌唱になっています。スーザン・メンツァーの声はメゾソプラノとアルトの中間の声質で、際立った特徴も感じられませんので、一流ソプラノの様な天上の(あるいはこの世の物とは思えぬ)美しさではなく、人の声として極く普通に存在する日常感の中で、装飾豊かに歌い上げています。隣りのおばさんが声楽をやっていたら、こういう感じかなぁ?というイメージです。ゆったりとしたテンポで、音符ひとつひとつを大切に歌っていますが、ビブラートや細かい節回しを使って装飾を加えていますので、繰り返し聴いていると鼻についてきました。
歌手とピアニストについて解説書には殆ど説明が無いのですが、ネットで調べた所、スーザン・メンツァーはアメリカ・フィラデルフィア生まれ。高校時代にサンタフェ・オペラに参加して声楽に目覚め、カリフォルニア・パシフィック大学でミュージックセラピーを学ぶも、先生の勧めで声楽家/オペラ歌手への道を歩んだそうです。その後はメゾソプラノとして世界各地でオペラに参加しているとの事です。
クレイグ・ルーテンバーグはワシントンD.C.のジョージタウン大学を卒業後、声楽伴奏ピアニスト、及びオペラの声楽指導者として活躍しているとの事です。
録音は音楽を聴く障害にはなりませんが、デジタル録音にしてはバックグラウンドにヒスノイズが目立つものになっています。
このCDを入手したのは2006年頃ですが、あまり心に響かなかったので解説を書くのが伸び伸びになってしまいました。2009年3月時点でこのCDは廃盤になった様ですが、中古であればアマゾンで購入可能です。
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