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Ilona Timchenko Piano
 R. Schumann, C. Schumann, J. Brahms
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Ilona Timchenko (Pf)
 
 
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| レーベル;Landor Records | 
入手性;海外現行盤 | 
 
| CD番号;LAN286 | 
お気に入り度;★★★★ | 
 
| 録音年月日;2008年3月17-20日 録音;DDD | 
資料的貴重度;★ | 
 
| 収録時間;68分25秒 | 
音質    ;★★★★ | 
 
 
 
 収録曲
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ローベルト・シューマン:クライスレリアーナ・作品16
 
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クララ・シューマン:三つのプレリュードとフーガ・作品16
 
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ヨハネス・ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲、Books 1 & 2・作品35
 
 
 
  
 コメント
  
ピアニストのIllona Timchenkoはロシアで生まれ、モスクワとオランダでピアノを学びました。2007年にLandorが主催するコンテストで優勝しLandor Recordと長期契約を結び、現在はピアニスト&作曲家として活躍しているとの事です。リスト国際コンクールを初めとして幾つかのコンクールの入賞歴があります。
  
ローベルト、クララ、ヨハネスの三人の曲を収録したCDは、三人の人生や音楽観に対する共感が感じられて味わい深い演奏が多いのですが、このCDも例外ではありません。
 
冒頭のローベルトのクライスレリアーナはとても情熱的な曲ですが、Timchenkoは過度に感情的/ヒステリックにはならず、強奏部分でも打鍵はしなやかで、常に静けさを背後に湛えた様な演奏をしています。一言で言えば理性的な大人のロマンティシズムによるクライスレリアーナです。
 
クララの3つのプレリュードとフーガは、初めて聴いた時からまるで聴き慣れた名演の様に、素直に耳に入ってきました。テンポ、リズムの取り方が標準的で、楽譜を無視した様な恣意的なところが全く無く、クララの音楽を優しさと繊細さと共に紡いでいます。
 
ブラームスのパガニーニ変奏曲も強奏部分で荒々しくなる事は無く、しなやかな打鍵で柔らかさを保ち、弱奏部分はとても繊細に美しく演奏して、ブラームスらしいコントラストに満ちた音楽になっています。
 
この様にどれも不満の無い演奏に仕上がっていますが、五つ星にならないのは、ハットするような煌めく音に巡り会わなかったからです。この演奏の欠点は、欠点が無い代わりにまとまり過ぎていることですね。でも総じて良い演奏です。
  
音質は最新のデジタル録音の水準にあり問題はありませんが、どちらかと言えば音の角が取れたまろやかな音像の録音で、和音の分離感はいまひとつ。帯域バランスは中低音側に重心があります。スタインウェイの高音を硬質、クリスタルな響きで聴きたい方には多少の不満が出るかも知れません。
  
このCDは2009年1月発売で、2009年6月現在amazon.co.jpなどの主なインターネットCDショップで購入可能です。
 
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