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トロイメライ
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新倉瞳 (Vc)、鈴木慎崇 (Pf)
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レーベル;EMIミュージック・ジャパン |
入手性;国内現行盤 |
CD番号;TOCE-56150 |
お気に入り度;★★★ |
録音年月日;2008年8月28-30日 録音;DDD |
資料的貴重度;★★★ |
収録時間;69分00秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
- ローベルト・シューマン:トロイメライ Op.15-7
- ショパン:ノクターン Op.9-2
- バッハ:G線上のアリア
- クライスラー:愛の悲しみ
- マスネ:タイスの瞑想曲
- エルガー:愛の挨拶 Op.12
- ラヴェル:ハバネラ形式による小品
- ドビュッシー:夢
- フォーレ:エレジー Op.24
- シューベルト:セレナーデ
- メンデルスゾーン:歌の翼に Op.34-2
- ローベルト・シューマン:夕べの歌
- クララ・シューマン:三つのロマンス・作品11から第2曲(チェロとピアノによる演奏)
- ローベルト・シューマン:幻想小曲集 Op.73
- ブラームス:子守歌 Op.49-4
コメント
クララの三つのロマンス・作品11の第2曲を、チェロとピアノの曲に編曲して演奏した世界初の録音です。
チェリストの新倉瞳さんは1985年生まれ。2008年に桐朋学園大学音楽部を卒業し、現在(2009年)は同大学の研究科に在籍中とのことなので、まだ若い女性です。とても可愛らしい方で、CDのライナーノーツはちょっとした写真集のようにもなっています。デビューアルバムはまだ大学在学中にリリースされており、二枚目のこのCDは言わば卒業記念という所でしょうか。
このCDは、収録曲をご覧頂ければ一目瞭然の「名曲集」になっています。それゆえどの曲も聴いたことのあるものばかりで、重心の低いチェロによって情感豊かに演奏されて行きます。バックグラウンドミュージックとして聴くのであれば、まず不満は出ない、心地良い演奏になっています。似たようなチェロの名曲集といえばマイスキーの物とか何枚か持っていますし、シューマンの幻想小曲集をチェロで演奏したCDも数多く持っています。私の好きなマイスキーやイッサーリスあたりと比較すると、彼らは新倉さんの2〜3倍ほども人生経験が永いので、音楽の細部へのニュアンスの付け方、チェロの歌わせ方などは一枚上手です。とは言え、このCDの演奏でも心地良い音楽空間が現れますし、大学を卒業したばかりの人がこの水準の演奏をするとなれば、「期待の新星」と周りが騒ぐのもさもありなんと思います。
さて、世界初録音となるチェロによるクララのロマンスですが、ちょっと残念なことに、この曲に限り録音コンディションが良くありません。他の曲とは明らかにマイク配置、録音レベルなどが違い、気になる点としては先ず椅子のきしみ音がかなり大きく、曲全体に渡って音楽を邪魔しますし、弦をこする際の音も雑音の様に大きく聞こえてきます。また録音レベルが不適切で、強奏域で音が歪みます。曲の方は大半のメロディラインをチェロが受け持ちますが、時々ピアノと役割が交代します。また時折あるはずの音符が省略、変奏されるので、この曲を良く知っている人なら違和感を多少感じるかも知れません。
とは言え、普段はピアノだけで演奏されるロマンス・作品11-2を重心の低いチェロで聴けることは楽しく、出来れば1曲だけではなく作品11全体をチェロ編曲&演奏して欲しかったですね。
録音について、クララのロマンスでは色々と書きましたが、それ以外の曲では大きな問題はありません。弓が弦をこする音が比較的大きく聞こえることぐらいでしょうか。クリアな録音です。
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