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CLARA Sound File 映画「クララ・シューマン、愛の協奏曲」サウンドファイル
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奏者は曲目リストを参照
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レーベル;ソニー・ミュージックエンタテインメント |
入手性;国内現行盤 |
CD番号;SICC1168-9 |
お気に入り度;★★ |
録音年月日;記載無し 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;50分27秒+48分18秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
(CD-1)
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ローベルト・シューマン;ピアノ協奏曲 作品54〜第1楽章
エフゲニー・キーシン(Pf)、カルロ・マリア・ジュリーニ(Cond)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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ヨハネス・ブラームス;ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 作品8〜第2楽章
アイザック・スターン(Vn)、レナード・ローズ(Vc)、ユージン・イストミン(Pf)
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ローベルト・シューマン;交響曲第3番変ホ長調「ライン」作品97〜第1楽章、第2楽章
ラファエル・クーベリック(Cond)、バイエルン放送交響楽団
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ヨハネス・ブラームス;ピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調 作品2〜第1楽章
エマニュエル・アックス(Pf)
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ローベルト・シューマン;色とりどりの小品 作品99〜第4曲「雑記帳第1番」
アルカディ・ヴォロドス(Pf)
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ヨハネス・ブラームス;子守歌
岡崎ゆみ(Pf)
(CD-2)
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ローベルト・シューマン;ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調 作品11〜第1楽章
エフゲニー・キーシン(Pf)
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ヨハネス・ブラームス;ハンガリー舞曲第5番嬰ヘ短調
ヤアラ・タール & アンドレアス・グロートホイゼン(Pf)
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ローベルト・シューマン;幻想小曲集 作品12〜第1曲「夕べに」
小山実稚恵(Pf)
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クララ・シューマン;ロマンス・ヴァリエ作品3(抜粋)
アニコ・カチシュ(Pf)
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ローベルト・シューマン;クララ・ヴィークの主題による即興曲 作品5(抜粋)
イエネ・ヤンドー(Pf)
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ヨハネス・ブラームス;ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15〜第1楽章
ルドルフ・ゼルキン(Pf)、ジョージ・セル(Cond)、クリーグランド管弦楽団
コメント
2008年10月31日、新宿にて開催された「ドイツ映画祭2008」で「クララ・シューマンの愛」(原題 Clara)が上映された後、2009年7月25日、渋谷Bunkamura ル・シネマでのロードショーを皮切りに全国で上映された「クララ・シューマン 愛の協奏曲」のサウンドトラックCDです。しかし映画の中で使われた音源は2曲のみ(クララのロマンス・ヴァリエ・作品3と、ローベルトのクララ・ヴィークの主題による即興曲・作品5)で、しかも不完全な抜粋です。それ以外の曲は映画の中で使われた順に、ソニーの音源の中からピックアップされています。
映画が好評の様なので、このCDからクラシックの世界を垣間見る人が多いのかも知れませんが、クラシック音楽を愛好している側から見れば評価に値するようなCDでは無く、もし心に残る曲があれば他のちゃんとしたCDを入手して頂きたいと思います。
前述の様に、映画音源から収録した2曲以外は、ソニーの膨大な音源からピックアップされており、演奏者の顔ぶれも蒼々たる面々が揃っています。従って好き嫌いは別として演奏レベルに不満が出るはずもありません。たった一つの例外は岡崎ゆみさんのピアノ独奏による「ブラームスの子守歌」で、ソニーに他に音源が無かったのか、演奏を選択した人に知識が無かったのかは分かりませんが、原曲の淑やかな子守歌がジャズ風ピアノ独奏アレンジになっています。実際の映画の中では原曲通りの歌曲をブラームス役の俳優が口ずさんで歌うので、ジャズ風ピアノを聞いていて「そりゃ違うだろ〜」と思わず突っ込みを入れたくなりました。それを別としても、全ての曲が全曲ではなく一部分のみの収録では、聞いた後に残るのは物足りなさだけです。
映画音源から採られた2曲は、まず録音が余り良くなくて、最新録音とは思えないほどレンジ感の狭い物になっていますし、演奏も今ひとつです。
クララのロマンス・ヴァリエの演奏はややぎこちなく、クララの持つなめらかな美しさや可愛らしさが表現出来ていません。そして必然性の無いところで突然に演奏が終わってしまっては、その曲を知っている人には不満感が、知らない人にはクララの音楽に対する誤解が生まれるだけでしょう。
ローベルトのクララ・ヴィークの主題による即興曲・作品5も同様で、ヤンドーにしては表面的で表情に欠ける演奏になっています。好意的な見方をすれば映画のバックグラウンドに使われる音楽なので主張や表現を抑えたとも取れますが、しかしCDで聴くときは音楽が全てなので、別のCDでお口直しが欲しくなりました。
このCDで一番気に入ったのは、前島秀国さんの、短いながら的確な曲目解説でした。
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