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ロマンス 鈴木真澄
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鈴木真澄(ハーモニカ)、濱崎洋子(ピアノ)、磯野鉄雄(ギター)
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レーベル;ホマドリーム |
入手性;国内現行盤 |
CD番号;HR1182 |
お気に入り度;★★★★ |
録音年月日;2008年10月〜2009年2月 録音;DDD |
資料的貴重度;★★ |
収録時間;63分17秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
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ジェイムズ・ムーディ:ジャカランダ
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ローベルト・シューマン:3つのロマンスop.94
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マヒモ・ディエゴ・プホール:ブエノスアイレスの雲
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ウジェーヌ・ボザ:子守歌とセレナーデ
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ナポレオン・コスト:愛惜 カンティレーナop.36
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フレデリック・ハンド:感謝の詩篇
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吉松隆:4つの小さな夢の歌
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ジェイムズ・ムーディ:バレエの印象
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クララ・シューマン:ヴァイオリンとピアノの為の三つのロマンスop.22から第1曲(ハーモニカ演奏)
コメント
クララのヴァイオリンとピアノの為の三つのロマンス・作品22をハーモニカで演奏した、世界初のCDです。結論から書けば、「鈴木さん、何故第1曲だけなんですか?」と問いたくなる素敵な演奏です。
鈴木真澄さんは早稲田大学第一文学部卒業の異色演奏家。1993年からクロマチック・ハーモニカを崎元譲氏に師事し、その後幾つかのコンクールで一位を重ねて、演奏活動を続けておられます。ギタリストの磯野鉄雄さんは一橋大学出身で、ギターは独学だそうです。やはり幾つかのコンクールで一位を含む上位入賞を重ねられて、本格的な演奏活動をされています。ピアニストの濱崎洋子さんは国立音楽大学出身の唯一「一般的な」経歴を持つピアニストです。
シューマン夫妻とナポレオン・コストを除くと20世紀の現代作曲家の作品が選ばれていますが、しかし曲の方は耳と心に優しい曲が選ばれていて、現代曲嫌いの私でも気兼ねなく楽しめるアルバムになっています。ハーモニカの音は優しく、オーボエの様な管楽器やヴァイオリンの音色にも相通じる部分があり、全体を通じて違和感無く聴き通すことが出来ました。
ローベルトの三つのロマンスは全曲演奏されますが、楽器の違いによるハンディキャップを一切感じられず、この曲が本来演奏されるオーボエの曲を聴いていると勘違い出来るほど自然で上質な演奏になっています(勿論、音色はオーボエよりも高く明らかに違うのですが、音の性格が近似しています)。一方でクララのロマンスではむしろヴァイオリン的な音色が前に出て、予告なく聞かされると「可愛らしい音色のヴァイオリンだなぁ」と勘違いしそうな、やはり楽器の違いがハンディキャップにならない、情感豊かで自然な演奏になっています。鈴木真澄さんの曲目解説によれば、今回のアルバム制作に際し最初に録音を決めたのがクララのロマンスとのこと。アルバムタイトルも「ロマンス」で、ジャケットの写真はクララの三つのロマンスのスコアの表紙になっています。そこまでクララの曲に思い入れがありながら、全曲録音では無いのがこのCDの唯一無二の残念な点です。
追記:鈴木さんからメールが届き、クララのロマンスを第1曲しか録音しなかった理由を教えて頂きました。以下、原文のまま掲載いたします。
もちろん、ただでさえレパートリィの乏しいクロマチック・ハーモニカ。できれば3曲全曲を取り込みたいと譜面を取り寄せたのですが、2曲目、3曲目は楽器の機構的な問題で(シャープトリルよる転調)ハーモニカで演奏することが困難、少なくとも人様に聴かせるレベルの演奏にはなり得ないと判断。1曲目のみをレパートリィとすることにいたしました。 |
音質は音楽を楽しむ上で問題はありません。録音はクリアでレンジも広く、空間も豊かに再現されます。厳密に耳をすませば多少ヒスノイズがあるのと、背後で楽器以外の「チリチリ、ピチャピチャ」した音がするのが気になりますが、音楽鑑賞の邪魔にはなりません。
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