クララ・シューマンのＣＤ紹介

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	Clara Schumann Piano Music
	Yoshiko Iwai （岩井美子　ピアノ）
	レーベル；NAXOS（香港）	入手性；輸入盤、国内入手容易
	ＣＤ番号；NAXOS 8.553501	お気に入り度；★★★★★
	録音年月日；1996年11月10-11日　　録音；DDD	資料的貴重度；★★★★
	収録時間；71分29秒	音質　　　　；★★★★

収録曲

３つのロマンス　作品11
ソナタ　ト短調
音楽夜会　作品6
ローベルト・シューマンの主題による変奏曲　作品20
ロマンス　イ短調

日本人によるものとしては初めて、まるごと一枚クララの曲を録音したＣＤです。そしてとても素敵なＣＤです。

冒頭の３つのロマンス作品１１から、ゆったりとしたリズム、美しいキータッチ、豊かで穏やかな感情表現によって聴く人を虜にします。Eickhorst、Ortiz、Beenhouwerと並んで演奏の美しさでは屈指のＣＤです。
選曲も赴きに富んでいて、第二曲ソナタト短調はこのＣＤ以外ではBeenhouwer盤ぐらいでしか聴くことが出来ない珍しい曲ですが、しかし非常に美しい佳品です。そのソナタを一つ一つの音符を大切にし、ゆったりとしたテンポで非常に丁寧に、表情豊かに弾かれています。日本人らしい細やかな心配りとロマンスに満ちたこの演奏は、同じ日本人の心に共鳴するかのようです。
若きクララの最高傑作で、変化に富んだ音楽夜会作品６の演奏は、曲の性格に相応しく色彩豊かに弾かれます。第一曲は情熱を持って弾かれますが、続く第二曲はゆったりと、しかし強奏部でキラキラとした輝くような力強さを見せたりします。徹底的に穏やかで優しいEickhorstの第二曲の演奏とは多少異なりますが、どちらも甲乙付けがたい名演だと思います。
ローベルト・シューマンの主題による変奏曲作品２０は全体のテンポを緩めに採って、緩やかな部分は限りなく嫋やかに、しかし強奏部分では荒々しくならない力強さと、高音域のキラキラした輝くような音色を際立たせるという作品６で見せた岩井さんスタイルで、ともすれば沈みがちなこの曲に変化を与えています。
最後のロマンス・イ短調は全体が緩やかなリズム、哀愁に満ちたメロディで満たされています。岩井さんの優しいキータッチによって大人のクララのロマンスが美しくも悲しく浮かび上がります。

このような素晴らしいＣＤが、国内主要ＣＤ店で1000円程度で購入できるのは、喜ばしいことです。
これがデビューＣＤという、岩井美子さんの今後の録音活動に期待します。ぜひクララの全集を出して欲しい物です。

Updated in September 2001

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