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Fanny Mendelssohn,
Clara Schumann
Piano Trios
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The Dartington Piano Trio
Oliver Butterworth (Vn), Michael Evans (Vc),
Frank Wibaut (Pf)
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レーベル;Hyperion(イギリス) |
入手性;輸入現行盤 |
CD番号;CDA66331 |
お気に入り度;★★★★ |
録音年月日;1988年11月28-29日 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;56分16秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
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クララ・シューマン ピアノ三重奏曲 作品17
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ファニー・メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲 作品11
コメント
演奏家についてはCDの解説書に名前と楽器しか書いていないので何も語れません。名前だけで判断すると、クララのCDとしては珍しい男性だけのアンサンブルの様です。演奏は素敵です。比較的ゆったりとしたリズムで、各楽器が実に艶やかに、表情豊かに、そして力強く弾かれています。このトリオの妙味はゆったりとしたテンポで弾く楽章ほど際立つ気がします。録音も非常にクリアで、各パートがきっちりと分離しています。
第1楽章は出だしはゆったりとしたテンポながら、演奏が進むにつれて熱がこもってきて、各パートが熱く力強く競演するようになります。しかし荒々しさは全く無く、楽器の音色も芳醇で魅力的な演奏になっています。第2楽章はゆったりとしたリズムの曲なので、各楽器の表情も優しくなりますが、明晰さと力強さを失っていません。第3楽章は第2楽章よりゆったりと演奏されて、とても芳醇で素敵な琥珀色のロマンスになっています。第4楽章は第1楽章に似て、出だしはゆったりと落ち着いた演奏ながら、徐々に熱がこもってきて興に乗ってくるという演奏です。
全体を通じるて、ピアノの存在感が高く、ついでヴァイオリンが良く響いています。チェロの存在感がちょっと希薄で、なんとなくViolin
Sonata with Cello accompaniedという感じです。この点が少し残念ですが、お勧めのCDです。
ファニーのピアノ三重奏曲も非常に美しく力強く演奏されています。ファニーも大好きな私は、録音頻度の高いピアノトリオのCDを沢山持っていますが、恐らくこのCDの演奏がベストだと思います。録音が非常にクリアで、ここの楽器の音色は芳醇で優しく、しかし如何なる場面でも明晰さを失わず、ファニーの音楽を見事に歌い上げています。第二楽章以降の嫋やかさは、ピアノ独奏曲で聴けるファニーならではのものです。このCD解説の初版を書いたのが1999年8月、それから2年後の2001年9月にこの解説を書くために久しぶりに聴き直しましたが、2年前同様の嬉しい驚きに巡り会いました。ファニーのトリオがこんなに美しかったとは、知りませんでした(忘れていました)。
このCDは2001年9月現在、廃盤になったようです。Amazon.com, CD Universe,
バークシャーレコード共にありません。
Updated in September 2001
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