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CLARA & ROBERT SCHUMANN
Piano Concertos in La Min.
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Enrica Ciccarelli (Pf) F. Layer (Cond.)
Orc. Phil. Montpellier
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レーベル;AGORA Musica(イタリア) |
入手性;廃盤 |
CD番号;AG 014 |
お気に入り度;★★★ |
録音年月日;1995年6月14-16日 録音;DDD |
資料的貴重度;★★ |
収録時間;62分33秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
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クララ・シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品7
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ローベルト・シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品54
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ローベルト・シューマン 序曲「メッシーナの花嫁」 作品100
コメント
Enrica Ciccarelliはイタリアのピアニスト。1986年にミラノのGiuseppe Verdi
Conservatoireのピアノ科を卒業とありますから、まだ30代の新鋭ピアニストです。そしてジャケットの写真で見ると、とても綺麗な女性ですね。
クララのピアノ協奏曲作品7の演奏はちょっと個性的です。第一楽章冒頭の導入部を過ぎるとサロン風とでも言うのでしょうか、気負いとか抑揚が余り感じられず、比較的ゆったりとしたテンポで、ピアノもオケもすべての音が軽々しく出てきます。とりわけピアノパートの細かいテンポは気まぐれに揺らして演奏されます。第二楽章のテンポの遅さはこの曲の録音の中では随一といえます。第二楽章後半のチェロ独奏も、美しいのですが情感たっぷり、というよりは比較的淡白な演奏です。
第三楽章になるとピアノもオケも生気を帯び、テンポが速くなります。これは恐らく、この後に続くローベルトのピアノ協奏曲へのつなぎを考えてのことかもしれません。
あるいはこの第三楽章はローベルトの筆が入ったオーケストレーションである事を考慮しての変化なのでしょうか。生気のある第三楽章は私好みで良いのですが、第一、第二楽章から連続して聴くとちょっと違和感を感じる繋がりです。
ローベルトのピアノ協奏曲作品54の演奏は、クララのサロン風の演奏から続いて聴くからかも知れませんが、第一楽章冒頭から一転してテンポが非常に良く、ピアノとオーケストラががっぷり四つに組んだ感じの演奏です。個人的には非常に気に入りました。
杉谷昭子さんのCDと比べると誠に対照的な演奏のCDです。クララは喜々としてテンポ良く、ローベルトは一歩づつ立ち止まるような杉谷さんに対して、Ciccarelliはその逆。クララはちょっと気まぐれに立ち止まりながら、一方のローベルトは一気呵成に歌い上げています。
最後に収録された序曲「メッシーナの花嫁」は滅多に聴くことの出来ない曲ですが、Friedemann
LayerとOrchestre Philharmonique Montpellierは、ピアノ協奏曲以上に生き生きと快活に演奏しています。とにかくこのCDの演奏は後に行くほど威勢が良いです。
このCDは2001年9月現在、アメリカのCDショップのリストから消えています。廃盤の様です。
Modified in September 2001
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