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Songs by
Clara Schumann, Poldowski, Amy
Beach
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Lauralyn Kolb (Sop.), Don McMahon (Pf)
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レーベル;Albany |
入手性;海外現行盤 |
CD番号;TROY 109 |
お気に入り度;★★★★ |
録音年月日;1993年3月 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;60分50秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
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クララ・シューマン:6つの歌曲・作品13
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クララ・シューマン:ヘルマン・ロレットの「ユクンデ」からの6つの歌・作品23
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ポルドウスキー:歌曲8曲
Colombine
Bruxelles
Spleen
Dimanche d'Avril
Cythere
L'attente
Crepuscule du soir mystique
Dansons la Gigue)
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エイミー・ビーチ:歌曲8曲
Nachts
Fairy Lullaby
Far awa'!
Extase
Take, O take those lips awan
The Western Wind
Forgotten
Wir Drei
コメント
三人の女性作曲家の歌曲を収録したCDです。
まずクララの歌曲ですが、とても魅力的な歌唱です。Kolbの声はソプラノの中でも可愛らしく、透明感ある美しいもので、一方ビブラートは控えめに抑えて誠実に歌っています。超絶品と言えるラン・ラオ程のクリスタル感や色っぽさはありませんが、ゆっくりとしたテンポを採り、歌詞ひとつひとつを丁寧に歌い上げてゆくので、Kolbのスタイルの方を好む人も多いと思います。寄りそうピアノも音が柔らかく、デリケートな心配りの利いた伴奏で好印象です。このペアにはクララの歌曲を全曲録音して欲しいものです。
ポルドウスキの本名はIrene Regine Wieniawska。有名なバイオリニスト&作曲家のヘンリク・ヴィエニアウスキの娘です。1879年にブリュッセルで生まれ、1901年にSir
Aubrey Dean Paulと結婚。ブリュッセルとパリで音楽を学び、多くの作曲をしました。しかし曲の出版にあたっては父と夫の名声にすがる事を是とせず、ポルドウスキのペンネームで出版したそうです。現在彼女の曲は殆ど忘れ去れているとの事で、私の手持のCDでもポルドウスキの曲はこのCD以外にありません。
ポルドウスキの歌曲の情報は私の手持の中にはありませんが、ここに収録されている曲は近代フランス的な響きを持った曲です。その大半はテンポをゆったり目にとった美しい曲で、少し乱暴に例えれば、ドビュッシーを優しくしてサティの香りを加えた曲と言えるかも知れません。もちろんこの例えはポルドウスキの曲が物真似であるという意味ではなく、彼女の曲を聞いた事の無い人達に近い印象を伝える為の方便です。Kolbの透明感ある美声は、ポルドウスキの曲の夜霧漂うようなしっとりとした美しさを引き立てるのに一役かっていると思います。
エイミー・ビーチは1867年にアメリカ・ニューハンプシャー州生まれ。幼い頃から音楽の素養に恵まれ、存命中はあらゆるジャンルに多くの曲を残して、とても人気のある作曲家だったそうです。現在でも女性作曲家としては人気のある方で、amazonあたりで検索すればクララ並に多数のCDを探す事が出来ます。
以前、ビーチのピアノトリオのCD解説を書いた際には近代フランス的と評したのですが、ここに収録されたビーチの歌曲は良い意味でロマン派の和音とメロディラインの美しさを受け継いだスタイルにあり、クララの曲と連続して聴いても安心して聴く事が出来ます。このCDに収録された曲はテンポの遅い、歓びと悲しみをしっとりと歌う曲が選ばれていて、Kolbの美声が冴え渡ります。
総じて、Kolbの美声と選曲の良さによって、ロマン派好きの人にも比較的馴染みやすい歌曲集になっていると思います。
CDの解説書に演奏者の事があまり書かれていませんが、Kolbはアメリカで活躍するソプラノで、その声はpure,
silvery toneと称されているそうです。ハミルトン大学とコルゲート大学で声楽を教えているそうです。ピアニストのMcMahonはシラキュース大学で音楽の修士号を取得したとありますが、それ以外の細かい記述は無く、写真を見る限りにおいてまだ若いピアニストです。
なお、このCDは長期にわたり廃盤になった経歴があり、入手性はかなり不安定です(2005年10月時点では入手可能です)。
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