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BRAHMS op.5 & op.119・C.
SCHUMANN Romanze
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SHEILA ARNOLD (Pf)
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レーベル;Avi music |
入手性;輸入現行盤 |
CD番号;42 6008553048 9(ジャケットには553048と記載) |
お気に入り度;★★ |
録音年月日;2004年9月27-30日 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;60分42秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
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ヨハネス・ブラームス:ピアノソナタ第3番・作品5
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クララ・シューマン:ロマンス・ロ短調
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ヨハネス・ブラームス:ピアノの為の四つの小品・作品119
コメント
ピアニストのSheila Arnoldのプロフィールに関して、ライナーノーツ以外に英語の資料が無くて詳しい事は分りません。ライナーノーツのプロフィール紹介は極めて簡素で、受賞したコンテストと演奏旅行の場所、そしてケルン高等音楽院の教授のポストを持っている、とだけ書かれていました。Sheila
Arnoldのサイトがドイツにありますので、恐らくドイツ人なのでしょう。
二つのブラームスの曲の間にクララの曲を挟むという、意味深な選曲になっています。この三曲の関係は、、
クララのロマンス・ロ単調のテーマはブラームスのピアノソナタ第3番の第4楽章から採られており、ブラームスに献呈されています。またブラームスの作品119の第1曲は1893年5月7日のブラームス60才の誕生日にクララに贈ったと考えられている曲です。冒頭のピアノソナタ第3番はブラームスがシューマン家を訪問した1853年前後に作曲されたと考えられており、最初の公開演奏は1894年10月23日に第2楽章と第3楽章がクララによって行われています。
さて、Sheila Arnoldの演奏スタイルを一言で(少々乱暴に)表現すれば、ホロヴィッツに近い演奏スタイルです。強奏部分では音が割れるばかりの力強いタッチで演奏し、弱奏部分では(周りに生活音があると)聞こえるか、聞こえないか、という小さな音で演奏する。良く言えばとてもダイナミックな演奏で、悪く言えば微妙な濃淡の表情に乏しい演奏と言えます。静かな部屋で音量を上げて弱奏部分を聞けば、それなりの表情が伺えて魅力的に聞こえました。(ただ、その後の強奏部分では音量過大で耳が..)
ブラームス・ピアノソナタ第3番:第1楽章冒頭の有名なテーマはピアノの持てる最大音量で力強く演奏されます。その後は上に書いたように、静かな部屋でないと聞き取るのがやっとの弱奏とピアノが割れるばかりの強奏の繰り返しになります。間の採り方に少し個性があり、メロディが時折ぎこちなく聞こえる事もあります。総じて言えば原色系、ハイコントラストな絵画の様な演奏です。
クララのロマンス・ロ単調:全曲ゆったりとしたテンポの、静かな曲なので、通勤時に雑踏の中で聞いている時には全く聞き取れなかった事をお伝えしておきましょう。静かな部屋で聴き直すと、この曲としては標準的か、やや遅めのテンポで演奏されます。弱音の中にそれなりの情感も込められていていますが、音と音のつながりに微妙な間があり、しっとり、なめらかな演奏というよりも、一つ一つの音の存在感を高めたような、あっさり系の演奏になっています。
ブラームス・四つの小品・作品119:第1曲から第3曲は比較的静かに演奏する曲なので、割れんばかりの強奏が殆ど無いのと、私自身がこの曲を聴き込んでいる回数が少ないので、違和感の無い良い演奏に聞こえました。第4曲ラプソディは力強く演奏されますので、個人的にはもう少しデリカシーが欲しいかな、と思います。総じてピアノソナタ第3番と同じ印象で、このダイナミックな演奏が好きな人には良い演奏だろうと思います。
私はHMVの通販でこのCDを入手しましたが、amazonでは流通しておらず、比較的入手が困難だと思います。
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