A Plaza of Clara Schumann 掲示板
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[1020] Re[1019]: ピアノソナタについて
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2023/10/03(Tue) 15:36
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YouTuneはチェックしておりませんでした。お知らせありがとうございました。
[1019] ピアノソナタについて
投稿者: Hiroshi Iwatani
投稿日: 2023/10/03(Tue) 11:42
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唯一のピアノソナタと思われるト短調ソナタは、YouTube上にShelley Shao氏による美演があることを本日(2023/10/03)知りました。
[1018] Re[1017][1016]: クララとフォルテピアノ
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2021/01/15(Fri) 12:36
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私、電子書籍は苦手なのですが、600円台となれば買うしかないかな、と思っています。古書が1000ドルとは恐ろしい値段ですね。。。
良書が絶版になり古書が高騰するのは残念です。私が探している本の中でも、例えばパスクワッリの通奏低音奏法などなかなかな値段が高いです。
[1017] Re[1016]: クララとフォルテピアノ
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2021/01/02(Sat) 16:00
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Litzmannが600円台とは良い時代になりました。この程度なら調べ物で他の書籍も気兼ねなく買えますね。
私がLitzmannの書籍を入手した頃の英語版は絶版で、上下巻セットの古書で1000ドル(約13万円)前後でした。流石にその値段では買えなくて、長年abebook.comを探していたら上下巻セットで250ドルぐらいの古書が出て、入手しました。
[1016] クララとフォルテピアノ
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/12/30(Wed) 11:01
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アメリカのクララファンの方から、Litzmannの伝記を検索すれば、クララ・シューマンが用いたフォルテピアノについてある程度の情報が得られると教えていただきました。
「良い楽器と悪い楽器」について、やはり彼女も厳格であったと言う話を聞き、大変共感を持ちました。また、彼女のタッチは非常に軽いものであったけれど、パリに行ってカルクブレンナーの楽器(いわゆるイギリス式アクションのフランスの楽器と思われますが)を演奏した際には、大変重く,扱いにくいと感じたとの話がありました。
Litzmannの伝記、英語版はやはり抄訳のようですが、Kindleで600円台とのことで、それを読んでみるのは悪くないと思いました。
[1015] 本の紹介「ブラームスを演奏する」
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/11/30(Mon) 21:04
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「ブラームスを演奏する」 クライヴ・ブラウン ニール・ペレス・ダ・コスタ ケイト・ベネット・ウォズワース著
音楽之友社から「ブラームスを演奏する」というタイトルで本が出ました。原書はベーレンライターから出版されている英語のものになります。
この本は、「ブラームス」とタイトルがついていますが、クララ・シューマンはもとより、それより前の、ベートーヴェン以来の19世紀のヨーロッパの音楽演奏スタイルを考える上で、日本語で読めるものでは大変ありがたい資料です。(英語やドイツ語ができる方は、カール・チェルニーの「theoretical and practical pianoforte school」op.500も併せてお読みになることをおすすめします。日本語訳も春秋社から出てはいるのですが、絶版であると言うことと、訳者による解説や訳語の選択に問題があると私は考えています。また、日本語の本では、渡邊順生先生の「チェンバロ・フォルテピアノ」の「フォルテピアノの演奏解釈」の章も併せてご覧ください)
私もまだそれほど読んでいるわけではありませんので、細かい部分を論じることはできませんが、まず私がかつて専門としていた「ピアノ」に関連するところを見てきます(ギルドホールでチェンバロを学び現在シドニー大学の教授をしている見えるニール・ペレス・ダ・コスタが執筆しています)。
第3章「ピアノ演奏」の上では、まず、旋律の強調、音楽の構造、アゴーギクについて論じられています
「ずらしとアルペッジョ」についてまず書かれていますが、ある意味「低音の先行」と言うこともできるでしょう。これは、チェンバロの時代に確立された奏法です。
これに関し、古楽系の演奏家でも2つ意見があるようです。1つは、ブラームス時代のものや、あるいはクララの弟子の録音などに見られる演奏スタイルを、このようにチェンバロの奏法からの延長線上で捉えようと言う考え方です。この本は基本的にその立場に立脚していますし、渡邊順生先生の本もある程度そういった流れと言えるでしょう。私もそんな立場をとりたいなと勝手に思っています。
もう一つは、今年の春にオンライン講演会に参加した方の意見ですが、ベートーヴェン時代の「ルバート」と、ライネッケなどが初期の録音で残したルバートは全く違うのだ、と言う意見です。これに関しては、私はまだ細かく説明するほどの知識は持っておりません。
この本では、フローレンス・メイがブラームスのレッスンの思い出について書き記した内容について論じられています。
そして「ブラームスと同時代のピアニストが残した録音」では、渡邊順生先生同様、ライネッケとレシェティツキの演奏が出ています。おそらく同じCDを取り上げて論じています。これです https://music.apple.com/jp/album/19th-century-pianists-on-welte-mignon/493682408
そして、クララの弟子たちにも登場します。ファニー・デイヴィス、アデリーナ・デ・ララなどの名前がどんどん出てきて、彼らが残した、アルペジオやずらしの奏法について事細かに解説されていますので、クララ・ファンの方には大変嬉しい内容と言えるでしょう。
そして、もう一つ重要だと思うのがペダルの踏み方です。現代のピアノ奏法では、ペダルの使い方と言えば、音をつなげてレガートをしやすくすると言う使い方がまず第一に思い浮かべます。これは、インマゼール曰くですが「ダンパーの機能が発達し効果的な消音機能を得るに従って、余韻が残らなくなり、それをペダルの踏み替えによってコントロール必要する必要が現代のピアノにはある」と言う事なのですが、とりわけ重要な視点を我々に再認識させてくれるのは、19世紀ピアノ作品の演奏における「リズミックペダル」いうペダル奏法です。
これは、「和声の変わり目か小節線でペダルを踏み変える」と言う方法です。
ただ音をつなげるだけではなく、和声や、それに伴う音響変化の手法としてダンパーペダルを用いていたと言うことがわかるわけです。
これは私の経験ですが(モダンのピアノにおけるものです)、私は、レガートにするためのペダル操作がなかなか苦手でして、ペダルのタイミングも他の人とはかなり違った踏み方をしていました。フォルテの和音を鳴らすときにはそれを弾く前にペダルを踏んでダンパーを全開にしてから音を出すということをやっていましたが、もしかしたらこの「リズミックペダル」は類似した概念かもしれません。
また、ファニー・メンデルスゾーンも早速名前が登場します。第一章「19世紀当時のブラームス演奏、その全体像」のところで、1826年にファニーが、自筆譜に「<>の形で表される記号」について書き込んだ内容が紹介されており、なんとこの記号はアンチェルランドとリタルダンドを表す」のです。単なるクレッシェンドとデクレッシェンドでは無いのです。
この弾き方も、私は感覚的に知っておりましたが、実際にファニーの言葉としてそれを裏付けるものがあったと言うことで、大変嬉しかったです。
音量の変化によるクレッシェンド表現と言うものは、現代のピアノと言う、音量の変化を大きく取ることを得意とする楽器に向けた奏法と言えるでしょう。一方、チェンバロやフォルテピアノでは、タイミングの変化が重要になってくるわけで、ファニーがメモしている事はまさにそれを裏付けることだと思われます。 とあるフォルテピアノ奏者が「 タイミングは表現を豊かにする不可欠なツールであり、ルバートは本質的な意味において使われる。そして最後に指摘しておきたいポイントは、モダン楽器での演奏においてはより幅の広い音量の変化を利用する傾向があるけれども、フォルテピアノ奏者は、音色や、音域の間でのコントラストを存分に活かすことができるということである。」 とCDの解説書に書いておりましたが、まさにその通りの世界が、ファニーの時代には実践されていた、と言うことでしょう。この点、現代の多くのフォルテピアノ奏者は、スタインウェイでの演奏解釈を古楽器に移し替えただけの演奏をしており、たいへん残念であります。
私が知りたかったことの1つとしては、スラーとスタッカートの組み合わせで表現されるポルタートはアルペジオなのか、アルペジオにしないのか?という疑問がありますが、それについては今のところこの本での説明はないようです。今後も、資料を探したいと思っています。
こちらの本はとにかくオススメですので、興味がある方はご一読をお勧めします。
追伸: この本を執筆したニール・ペレス・ダ・コスタは、ブラームスのチェロソナタの第一番の冒頭部分を、J.B.シュトライヒャーのピアノ(見た感じ低音弦が交差しているので1860年代以降にスタインウェイのセンセーショナルな登場の影響をヨーロッパのメーカーが受けてからの楽器と思われます)で演奏してネットに載せていますので参考までにご覧ください。まるでハープのように、フォルテピアノがアルペジオで和音を弾いています。 https://youtu.be/T3uydnhCdU4
ニール・ペレス・ダ・コスタは、レイチェル・ポッジャーがアンサンブル「florilegium」を設立したときのチェンバロ奏者でした。デビューコンサートではブランデンブルク協奏曲第5番でソロを弾いています。
そして、90年代のレイチェル・ポッジャーとギルドホールで一緒だったフォルテピアノ奏者というと、もう1人、オルガ・トヴェルスカヤという超名人がいます。彼女は1996年にブラームスのチェロ・ソナタ2曲をロンドン・エラールのフォルテピアノで録音しており、ペレス・ダ・コスタとはまた異なったアプローチで、微妙なタイミング表現を活かした演奏をしています。つまり、和音はどちらかと言うと揃えて弾いているのですが、その和音を弾くタイミングを微妙にずらして微妙なアーティキュレーションを表現する技法です。この技法も、チェルニーの本の中に言及があり、こちらも併せて聴いていただければより理解が深まるかと思います。彼女のデビュー作であるハイドンの歌曲集や、シューベルトのソナタの壮絶な録音を聞いておりますと、19世紀の資料や、この本にも記載があるような、アルペジオなのかどうかわからないような絶妙なアルペジオ奏法を彼女は極めて効果的に使って我々に示しています。ご興味がありましたら、彼女のシューベルトをお聴きください。(CDは入手困難ですがソナタD959と楽興の時の録音はコピーをいくつか在庫しています。ブラームスはじめシューベルト以外はサブスクリプションサービスで聴取可能です。) https://youtu.be/3NAZUwJFRJw
お詫び: 昨夜の投稿、またしても誤字脱字が多いものとなり、再度訂正したものを投稿させていただきます。昨日の分は削除していただいて構いません。
[1013] Re[1012][1010][1009]: ファニーのDas Jahr「福田楽譜版」
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/09/26(Sat) 20:29
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クラリスト68号さん
暫く外出していて、返信が遅くなり申し訳ありません。
楽譜の版に関する詳しい解説をありがとうございます。 楽器を演奏しないので、楽譜についても知識が殆ど無く、書かれたことを消化するのに難しさを感じていますが、時間を掛けて理解して行こうと思います。
[1012] Re[1010][1009]: ファニーのDas Jahr「福田楽譜版」
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/09/22(Tue) 09:36
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コメントありがとうございます。(度々削除と追記・訂正を繰り返して申し訳ありません。)
楽譜に関しては、このように整理することができます
・オリジナル楽譜とその他(モダン・エディション) オリジナル楽譜と言うのは、作曲家が残した自筆譜であるとか作曲家と同時代に出版された楽譜などが対象となります。それを写真に撮ってコピーしたものがファクシミリです。 楽譜の区別は、これから説明していきます。基本的な事項はこちらのページをご覧ください http://tarolute.crane.gr.jp/kogakkistarter4.htm
オリジナル版を使うには、当時の演奏や出版についての知識が必須であり、また、19世紀というのは、それほどオーセンティシティが重視された時代でもないので、当時の出版譜が一概に信用できると限らない、という問題が現れます。シューベルトの即興曲D899-3をディアベッリが出版した「初版」で演奏すれば、あの幻想的なGes-Durではなく、半音上げた普通のG-Durになってしまいます!しかも和音も変更されています。ディアベッリは、シューベルトのソナタでも、別のソナタから持ってきた曲を移調・大胆なカットをしてくっつけてペアーの小品にしたりとか平然とやっています。しかし、当時そうして出版されていたのは事実なので、自筆譜とは違う編曲された曲として理解するなら意味があるでしょう。こうした、当時の出版習慣なども「古楽」「学究的演奏」などの対象です。もし、D899-3の自筆譜が残っていなかったら。。。私たちは、ディアベッリ版で曲を知っていたかもしれません。
・学術的研究版と演奏用版 学術的研究版の種類についてはこれから説明していきますが、研究者や演奏家が、作曲家は想定した楽譜は何か、と言うことを念頭に研究を重ねて校訂を行うのが学術的研究版です。一方、演奏用版は、1)誰かが、演奏に関する自らのアイディアや注意点などを楽譜に書き加えた楽譜 2)それ以外で学術的研究版と呼べないもの の2種類です。例えば、シュナーベル編纂のベートーヴェン・ピアノソナタ全集などが、演奏用版(1)の最もわかりやすい例といえます。シュナーベルの指遣いだけでなく、テンポの変化なども、細かくシュナーベルの演奏のアイディアが書き込まれています。(1)には、シュナーベル版のように大変価値のあるものから、テキトーな書き込みが雑記帳のように書いてあるだけの粗悪のものまでいろいろあります。 クララ・シューマン関係では、ベーレンライターから出ている作品集を含め(あれは、もともと別の出版社が出版していたものが合併によってベーレンライター社の製品として加えられたものです)ものも含め、原典版と名乗っていない楽譜の多くが演奏用版です。校訂方針・内容からいって川嶋ひろ子さんの春秋社全集もこれにあたります。一方、没後100年の時期に集中的に出版されたBreitkopf und Haertel の版は、原典版あるいは批判的校訂版です。 Furoreから出ているファニー作品も、多くは校訂報告が極めて不十分であり、よって指遣いすら書いていない楽譜もあるにもかかわらず「演奏用版」として扱われることになります。また、Das Jahr のFororeの楽譜サンプルを見ますと、指遣いの他、旧版・新版共メトロノーム記号が書かれています。しかし、自筆清書譜にはメトロノーム記号はありませんので、もしそれが校訂者によって加えられたとすると、一般的には、メトロノーム記号は原典版楽譜に校訂者が加える範囲ではないので、やはり演奏用楽譜であると判断されることでしょう。 演奏用版は、解説がないわけでは無いのですが、資料選択の傾向として、「最も適切な資料」よりは「最も権威のある資料」を第一の資料として取り上げる傾向があると思われます。シュナーベル版のテンペストがその典型例です。 あまり書きたくないですが、春秋社の井口版などは、手持ちのペータースなどをほかの楽譜と時々見比べながら書き写してテキトーに注釈?やヒントを書き込んでいるだけの粗悪な版であり、私の、弘前にいる元先生は、ヴィーンでザイドルホーファー(フリードリヒ・グルダの先生)に師事した際「こんな楽譜は捨てなさい」と真っ先に指導されたといいます。
・原典版と批判的校訂版 学術的研究版は大まかに2つに分けることができます。楽譜のセールスコピーとしては、どちらも原典版(広義)として扱われます。
原典版(狭義)は、どれか「最も信頼できる」資料を選び、基本的にそれにのっとり楽譜を書き起こしたものです。 例えば、Das Jahrの場合、ファニーが自ら清書し、ヴィルヘルム・ヘンゼルが挿絵を描いて、そしてきれいに製本し一家に代々伝わってきた楽譜、という、信頼度も権威も十分な資料があります。なので、それをそのまま書き起こして、プリントする「原典版」が充分ありえます。福田楽譜版はとりあえずはこの形をとっていると思われますが、楽譜のレイアウト変更などを行っていることから、若干の問題があるとは言えます。
しかし原典版という概念には問題もあります。決定的な1つの資料が存在しない場合であるとか、あるいは作曲家が生きていた時代に演奏に使われなかった資料が、原典版の底本となる可能性があります。そこで現れるのが「批判的校訂版」です。関連する様々な資料を整理しリストアップし、そしてどんな系図でそれらの資料が関連しているかを分析し、それをたどりながら、一つ一つの相違点を明らかにし、できるだけ「オリジナル」の譜面に近づこう、と言う趣旨で編纂される楽譜です。基本的に、聖書の写本研究やシェイクスピアなどの写本の研究手法に基づいた手法です。
例えば、ベートーヴェンのテンペストソナタの自筆譜は残っていませんし、初版も、またベートーベンが決定版として出版させたはずのジムロック版も誤りを多く含んでいます。ですので、そこら辺を、ベートーベンやその関係者が出版に関わった資料の系図をたどりながら、できるだけ正確な記載が出来るように、と言う観点で校訂するわけです。 しかし、批判校訂版にも問題があり、例えば、「同等の信頼度と思われる複数の写本を資料として校訂し校訂譜を作成したが、結局、作曲家や関係者が遺したどの写本とも一致しない楽譜が現れる」ということが起こり得ます。
Das Jahrの場合、ファニーの清書譜と言う圧倒的な資料がありますが、一方で、Furore初版が底本としたスケッチという別の資料もあり、相違点がかなりあります。そのため、批判的校訂版を作成する場合、スケッチと清書の間にはどんな関係性があり、それぞれいつごろ、どんな経緯で作成されたのか、というものを解説で論じ、その上で相違点が多い曲に関しては、仮に清書の曲をメインに印刷したとしても、別途スケッチのほうも印刷することになります。例えば6月は全く別の曲ですので、どういった関係で2つの曲が作曲されたのか、ということをわかりうる限り解説に記載し、両方印刷しなければなりません。 1月の終わりの部分も全く違いますが、当然2つ印刷されることになります。
・演奏用楽譜が時を経てばオリジナル楽譜に変化することも
例えば、コレッリのヴァイオリンソナタ集には、同時代の他の作曲家による装飾がついた楽譜が当時多数出版されました。ローマンなど大物作曲家が自らの版を出版しています。これは、当時の、装飾をつけながら演奏すると言う演奏習慣を伝える極めて重要な資料であり、コレルリ自身が作曲した譜面通りではないものの、第一級の資料です。ですので、コレッリの作品5のヴァイオリンソナタには、決定版と言える初版があるにもかかわらず、批判的校訂版であるベーレンライター版においては、同時代の作曲家による装飾版も併せて掲載されています。
18世紀までの作品、例えばバッハを、19世紀に出版した楽譜は「18世紀の演奏」を論じるなら「非オリジナル」で、余計な書き込みが多い演奏用楽譜ですが、例えばチェルニー編纂のバッハの楽譜を用い「19世紀前半の、ベートーヴェンからショパンの時代の音楽家が理解したバッハ像」を探るなら、チェルニー版のバッハの楽譜はある意味でオリジナル楽譜と言うことになります。当時のフォルテピアノ - ブロートマンとかシュタイン一族 - などの音を想像しチェルニー版楽譜を読んでいくと、かなり納得できます。
また、「古楽」と言うのは作曲家が活動した当時、あるいは焦点を当てた特定の時代の演奏スタイル(例えばチェルニー時代のバッハ)を追求することですから、ベートーヴェンのピアノソナタを演奏するに際し、シュナーベルが残した楽譜はあまり意味がないように一見すると思われます。しかし、実際には、シュナーベルが演奏用楽譜に記載してくれたテンポの変化等の記述は、ベートーヴェンやそれ以前の時代から各種音楽書 - CPEバッハからチェルニーまで ー に記載される、「テンポの変化」について示唆を与えてくれるものです。もちろん、ベートーヴェンからは100年経っていますからその内容にはかなりの違いがあるでしょう。とは言え、現代の我々が想定するような、一定のメトロノームに常に曲全体を乗っけて弾く演奏とは全く違う演奏がまだ残っていた時代の記憶をシュナーベルは示しています。したがって、シュナーベルの楽譜と言うものは、確かに上記のコレルリのように同時代のものではないので「オリジナル版」とは決して言えず、批判校訂版に取り込まれることもないものの、重要な「古楽」の資料として価値があるわけです。仮に、シュナーベル版のような詳細な書き込み付きの譜面をチェルニーが作成していたとしたら、それはチェルニー版として、「チェルニー版に基づく原典版」がベートーヴェンのピアノソナタに関し、現在我々が目にする「原典(批判校訂)版」とともに出版されることになるでしょう。
・楽譜のレイアウト変更に関する問題
原典版や批判的校訂版であっても、編集者が指遣いなどを書き加えている例があります。これは、学習者にとって大変便利なものではありますが、一方で、想定している楽器は大半の場合はスタインウェイのピアノですから、例えば古楽器で演奏する場合には指遣いも変わってきますし、同じくモダンピアノで演奏するとしても解釈が違えば指遣いが変わります。そのため邪魔であると考える演奏家も多数います。
そして、もっとダメなのは、楽譜のレイアウト変更です。
もちろん、作曲家が、音部記号を変更する手間を嫌って、例えば2声の部分で音の高さが高い場合、上段の譜面に両方書いてしまっている例もあります。しかし、和音の書き方など、記譜レイアウトによってなんらかのの示唆が与えられている例があります。
例えば、ベートーベンのピアノソナタ第7番の第4楽章の冒頭部分のフレーズは、小節をまたぐ連桁によってアーティキュレーションが示されています。これを書き換えてしまっては正確に楽譜として使うことはできません。一見混み入ったような記譜でも、声部の書き分けや場合によっては手の使い分け、そして、ここからが重要なのですが、両手の使い分けによって、アルペジオやそれに伴うルバートまで示唆している場合があります(これは私独自?の解釈法なのでやってる人はなかなかいません)。クララ・シューマンのソナタでも、ファニーのDas Jahrにもその例があります。なので、混み合った記載の場合も、できるだけ拡大した譜面のような形で記載するなどして、楽譜レイアウトは変えないように作成するべきなのです。
私がかつて音楽を学んでいた頃は、インターネットの導入が遅れたため資料が少なく、また私自身の解釈法も確立していなかったので、ここまで厳密な取り組みはしていませんでしたが、最後にクララ・シューマンのソナタを練習したことで、結局その途中で音楽はやめたものの、浅学ながら、わりかし深い意味まで読む読譜法を会得し、そして自らの演奏解釈とルバート奏法を得ることができたと思っています。感謝しています。
[1010] Re[1009]: ファニーのDas Jahr「福田楽譜版」
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/09/18(Fri) 15:55
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クラリスト68号さん、こんにちは。
私は楽器を弾けないので、楽譜のことには詳しくありませんが、楽譜の版によって色々とあるのですね。
あるピアニストのお話を伺った時は、一つの楽譜だけで弾くのではなく、色々な楽譜を参照して総合的に解釈していると言われていたのを思い出しました。
[1009] ファニーのDas Jahr「福田楽譜版」
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/09/16(Wed) 11:09
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おはようございます。
先日はクラーラの201回目の誕生日でしたね。私は。。。7月末以来の号泣が止むことなく過ごしておりました。
さて、その翌日ですが、ネット知人より楽譜のコピーが送られて参りました。ファニーのDas Jahr「福田楽譜版」です。 メンデルスゾーン姉弟の話も、もう悲しくて悲しくてできない時があるのですが、頑張って封筒を開けて読んでみました。
一般的に使用されているForore版は、ファニーが作成したスケッチに基づいて作成された楽譜なのですが、こちらの福田版はあの絵入りの清書譜を書き起こして印刷したものだそうです。と言うことで、一部の曲に大きな違いが見られます。Furore 初版に比べれば、簡単な校訂報告なども付いているのでベターと言えるかもしれません。1999年の発行なので、自筆譜の公開から割と早いうちに発表された楽譜といえます。校訂は岡坂恭子さんです。
校訂報告なども付いていてベターであると申しましたが、一方で、ウィーン原典版やベレンライター版の校訂報告書を小学生の頃から読み込んできた身としては、内容には大きな不満があるところでもあります。また、小さな記号で書かれた現代ピアノ用のペダル遣いは見ていて邪魔ですし、一部で楽譜のレイアウトを変更している、と言う点も、やはりやってはいけないことなので、残念と言えるでしょう。
改めて譜面を見てみますと、ファニーは、モデレーターペダルを弱音ペダルとしてではなく「雷鳴風?トレモロ」として用いる方法を結構気に入っていたのでは?と推測したくなります(チェルニーは、著書の中で、弱音ペダルとしての用法よりこちらの方をむしろ記載しています)。また、7月では、una cordaのほかに2〜3本の弦という指定があり、ペダルの踏み具合で弦の数を変えるよう(フォルテピアノではそれができてしまいます)厳密な指定がなされているようです。なので、雰囲気的に、プレイエルやエラールよりはウィーンのピアノを想定していたのではと感じます。
[1008] Re[1007][1006][1005][1004][1003]: クララのマテウス ・シュタインのフォルテピアノ
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/07/10(Fri) 19:41
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ピアノの音域については、今までそう言う視点で資料を調べたことがないので、記憶に無いです。一般的な伝記では、ピアノの機種についてすら記載が無いことが殆どなので、独自に調べて頂くしか無いかと思います。
[1007] Re[1006][1005][1004][1003]: クララのマテウス ・シュタインのフォルテピアノ
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/07/09(Thu) 19:01
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MAシュタイン、製造番号513は1825年製なのですね。Clinkscale onlineによりますとボディーは桜材の化粧板だそうですが、肝心の長さ等が書いていないのが残念です。 ラウンドチークですが足が猫脚で当時の他の多くの楽器のようにエンパイアスタイルのデザインでないのが面白いですね。音域を6オクターブ半にしなかった理由(6オクターブの音域ではハンマークラヴィーアは弾けません)が不思議ですが、フリードリヒの手紙などを漁るしかないのでしょうか。。。
[1006] Re[1005][1004][1003]: クララのマテウス ・シュタインのフォルテピアノ
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/07/09(Thu) 18:55
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詳しく写真を掲載いただきどうもありがとうございます。背景を消す際にペダルを1本消してしまうとは、とんだミスですね。。。
> このサイト上の2本ペダルの写真を3本に入れ替えて文面も修正しましたので、2本ペダルの写真をこちらに残しておきます。
[1005] Re[1004][1003]: クララのマテウス ・シュタインのフォルテピアノ
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/07/06(Mon) 14:06
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このサイト上の2本ペダルの写真を3本に入れ替えて文面も修正しましたので、2本ペダルの写真をこちらに残しておきます。
[1004] Re[1003]: クララのマテウス ・シュタインのフォルテピアノ
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/07/06(Mon) 13:04
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マテウスシュタインのフォルテピアノのペダル、3本になっていますね。気付きませんでした。
このサイトに掲載している写真は querstand VKJK 9922 の解説書から転載しています。
http://clara-schumann.net/cd/cdex63.html
このCDは1999年にこのピアノで演奏したもので、解説書に1995年から1996年にかけてのRobert A Brownによるレストアの事が記載されていますので、レストア後の演奏になります。ドイツ100マルク札は1991年の発行で、レストア以前のピアノがモデルになっているので、恐らくこのレストア時にペダルが3本化されたのだろうと、念のためにもう一度このCDをチェックしたら新発見がありました。
転載したえんじ色バックのカラー写真はCDを収める場所の背景(透明プラスチックの後ろ)にあるのですが、見ての通り背景が消されています。CD解説書には同じアングルから撮影した、背景の消されていない小さなモノクロ写真もあるのですが、それをルーペで子細に見ると、ペダルが3本でした。ペダル部分は絨毯の模様と重なって判別しにくくなっていますので、背景を消す作業をした人が誤って一番左のペダルを消してしまったようです。
[1003] クララのマテウス ・シュタインのフォルテピアノ
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/07/05(Sun) 18:30
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CDの解説を読んでおりまして、クララ・シューマンが最初に所有したマテウスシュタインのフォルテピアノを使用したCDのところで「お札に書かれているペダルは4本であるが、実際には写真の通り2本のペダルである」と言う内容を拝見いたしました。
改めてツヴィッカウのシューマンハウスのウェブサイトを見ましたところ、https://www.schumann-zwickau.de/en/03/01/historische_tasteninstrumente.php ペダルが3本でした。このペダル本数の相違には何か理由はあるのでしょうか? 1号様がお持ちの写真では2本と言うことで、ペダルの本数が変化したと言うのも誠に不思議なところです。
ただし、可能性としては、モデレーターが一旦撤去された後、ロバート・ブラウンによる復元作業の段階でモデレーターがあったことがわかり、再度復元された、と言う可能性もあるのではと考えましたが、実際にはいかほどなのか、2本であった時代はあったのでしょうか、ということが気になりました。ブラウンが修復した楽器は私も知っているものがありますが、素晴らしいものでした。
この楽器、写真を見る限り音域は6オクターブで、1820年代(実際には1810年代末にも、例えばマテウス の姉ナネッテ・シュトライヒャーも)にはすでに登場していた6オクターブ半の音域ではありません。将来大物演奏家になることが確実であったクララに対し、わざと音域の狭い楽器を与えたフリードリヒの意図は何だったのであろうか、と言うのも面白いところです。
追加の情報でありますが、実際にモデレーターが撤去された可能性がある楽器をひいたことがあります。ユーロピアノの所有する1830年代ライプツィヒのトレンドリン(マテウス の弟子)のもので、演奏した時は気づかなかったものの写真を見返していたところモデレーターを撤去した跡が見つかりました。
[1002] Re[1000][999]: クララ・シューマンの手の大きさ
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/07/05(Sun) 16:02
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コメントありがとうございます。当時としては手の大きな方だったということなのですね。
コーガンみたいに、手が異常に大きな人もいると言う事ですが、クララ・シューマンはそこまでではなかったのでしょうか?
葛西氏はたくさん楽譜を購入の上、全部の独奏曲を弾いていると言ってました。私も久々に、ピアノソナタの譜面を見ておりますが、ついでに弾きたくもなってきました。
6オクターブ半のフォルテピアノが必要ですね。
ちなみに、私の個人的意見では、ファニーのピアノソナタト短調にはウィーン式のフォルテピアノが最適だと考えています。クララはどうでしょう?やはり彼女にも後期グラーフが最適なんでしょうか。。。
> クララの手の大きさを数字で表した資料にはお目に掛かったことは無いのですが、石膏手形はバーデンバーデンのブラームスハウスに展示されています。ガラスケースの中にあり、私自身は寸法にそれほど興味なかったので写真に撮っただけで済ませていますが、当時の女性としては大きかったと聞いています。 > > 写真はこのサイトの写真集の、バーデンバーデン・リヒテンタール散策のブラームスハウスのページに掲載しています。
[1001] 掲示板、投稿1000件おめでとうございます。
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/07/05(Sun) 15:57
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こんにちは。1000件目のコメントで私へのお返事をいただきどうもありがとうございます。
今後とも、こちらの素敵なウェブサイトを楽しませていただきたく思います。宜しくお願いします。
[1000] Re[999]: クララ・シューマンの手の大きさ
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/07/04(Sat) 16:34
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クララの手の大きさを数字で表した資料にはお目に掛かったことは無いのですが、石膏手形はバーデンバーデンのブラームスハウスに展示されています。ガラスケースの中にあり、私自身は寸法にそれほど興味なかったので写真に撮っただけで済ませていますが、当時の女性としては大きかったと聞いています。
写真はこのサイトの写真集の、バーデンバーデン・リヒテンタール散策のブラームスハウスのページに掲載しています。
[999] クララ・シューマンの手の大きさ
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/07/04(Sat) 15:30
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先日、ファニーのDas JahrでCDを録音した葛西氏と電話で話をしておりまして、氏は今クララの独奏曲をぜんぶ弾いてみているそうですが、「クララの手の大きさ」が話題になりました。 10度の和音を連続させるところからしても、かなり手が大きかったと言う事は推測できますが、実際どの程度の大きさだったかわかる、手形であるとか、それを測ったサイズのような資料はあるのでしょうか?
私個人的な考えを申しますと、10度音程は確かに厳しいものの、クララ・シューマンが人生の前半を過ごした時代のウィーンのフォルテピアノは鍵盤の幅も狭いですし、また、チェルニーの著書や彼女の弟子の演奏からもわかるように、当時はアルペジオで弾く習慣が非常に強かったわけで、今ほど問題になる事は少ないのではと考えています。私がちゃんと練習したことがあるクララの曲はピアノソナタしかなく、しかも練習したのは私がモダンピアノを弾いていた頃で、今となってはフォルテピアノの演奏効果を頭の中で想像しての結論ですが、第4楽章で現れる10度の連続は、多くはアルペジオを効果的に使って演奏効果を上げれる和音であると私は考えています。
[998] Re[997]: はじめまして。
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/07/03(Fri) 20:23
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roseさん、はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
外出していたので、お返事が遅くなり申し訳ありません。
さっそく、クラリスト69号として登録させて頂きました。
よろしくお願い致します。
[997] はじめまして。
投稿者: rose
投稿日: 2020/07/01(Wed) 14:17
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はじめまして(*´꒳`*) 最近クララに出会い、そのの生き方に深く感銘を覚えている者です。クララについてこれほど深く掘り下げてくださるページに出会えて嬉しいです。 教えていただくことばかりかとは存じますが、ぜひわたしもクラリストのお仲間に入れていただけたら嬉しいです。 クラリスト69番を名乗らせていただいてもよろしいでしょうか。 ロベルトとクララの誕生月をとって。
[996] Re[995][994]: クララの弟子たちと「フォルテピアノの演奏様式」
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/05/07(Thu) 20:24
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お返事ありがとうございます。Pupils of Clara Schumann,是非手許におきたいCDですが中古すら出ていないのですね。中古すらないとなれば、入手は困難なのでしょうね。。。とあるフォルテピアノ奏者の25年前のCD11枚を一年かけて昨年集めましたがそれの倍以上の困難がありそうです。
シューマンやショパンの作品となると、現代の奏者も多少のルバートを利用しますが、その姿は随分と異なると思われます。その辺の変遷を探りたいと思っています。現代のピアノ奏者のルバートは不自然に聞こえる時がありますので。
SP時代の録音とフォルテピアノといえばコチャルスキがショパンのプレイエルで録音した演奏がありますが、入手できるうちに買っておくべきなのかもしれませんね。
> ファニー・デイヴィスのシューマンピアノ協奏曲の演奏は、アンセルメ指揮、ロイヤルフィルソサイエティオーケストラです。 > > YouTubeの演奏は聴いていませんが、恐らくPupils of Clara Schumannの6枚組CDからのものだと思います。このCDの説明によれば、Fanny Daviesの演奏は発売された物が全て収録されているとの事ですが、シューマンの演奏しかありません。アデリーナ・デ・ララの演奏はシューマン、ブラームス、ベートーベンで、それ以外の物はこのCDには収録されていません。
[995] Re[994]: クララの弟子たちと「フォルテピアノの演奏様式」
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2020/05/07(Thu) 16:56
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ファニー・デイヴィスのシューマンピアノ協奏曲の演奏は、アンセルメ指揮、ロイヤルフィルソサイエティオーケストラです。
YouTubeの演奏は聴いていませんが、恐らくPupils of Clara Schumannの6枚組CDからのものだと思います。このCDの説明によれば、Fanny Daviesの演奏は発売された物が全て収録されているとの事ですが、シューマンの演奏しかありません。アデリーナ・デ・ララの演奏はシューマン、ブラームス、ベートーベンで、それ以外の物はこのCDには収録されていません。
[994] クララの弟子たちと「フォルテピアノの演奏様式」
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2020/05/06(Wed) 23:57
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最近、「フォルテピアノの演奏様式」について考えており、特に、現代の奏者が無視することの多い「タイミングとルバート」に注意を払って考えています。
バロック作品の演奏においては、レオンハルト、ポッジャーなど、タイミングやルバートが効果的に使われた演奏をする人がいます。 しかし、フォルテピアノではごく少数です。私が最も尊敬する方はそれを効果的に使っておられますが。
しかし、20世紀初頭の演奏では現代からみるとかなり大げさ?にそれらが使われており、クララの弟子たちもそういった演奏をします。
ユーチューブに録音が転がっており、ファニー・デイヴィスやララなどを聴いていますが、まとめたCDなどはないのでしょうか? 個人的には、彼女の弟子たちの弾くシューベルトを聴いてみたいと思うところです。
ファニー・デイヴィスのコンチェルトの録音はどこのオケなんでしょうか?
[993] Re[992]: Lucy Parhamの ‘I, Clara’
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/12/07(Sat) 17:06
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クラリスト68号さん
書き込みをありがとうございます。音楽配信サービスで聴かれた曲の感想を書いて頂いていますが、私はその曲を聴いていない上に、68号さんの好みに合う合わないについてはコメントのしようがありません。ご了承下さい。
Lucy Parhamは以前にも朗読劇のCDを出していますが、その改訂版でしょうか。今回は二枚組になっていますね。クララの曲も以前は1曲だけでしたが、今回は少し増えているようです。
ただ、既にクララのCDを223枚所有していて、まだ聴いていないCDも20枚ぐらいあるので、購入予定はありません。
[992] Lucy Parhamの ‘I, Clara’
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/12/05(Thu) 20:20
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昨日、音楽配信サービスにて、ルーシー・パーハムのI, Claraを聴いてみました。パーハムが得意とする作曲家の手紙などの朗読と音楽がセットになった企画で、一部は(f-Mollのコンチェルト)以前の録音の流用で、一方ロベルト・シューマンのg-Mollソナタはおそらく再録音と思われ、こちらのほうが私は比較的好みの演奏でした。
クララの曲が少ないのはちょっと残念ですが、面白い企画ですし、演奏もやはりパーハムということで悪くないと思います。
[991] Re[990]: 久しぶりのコンサート
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/12/05(Thu) 16:07
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3号さん、とてもお久しぶりです。
この掲示板への前回のご訪問が2010年2月3日でしたので、ほぼ10年ぶりですね。お変わりありませんか?
赤松林太郎さんは2000年のクララ・シューマン・国際ピアノコンクールで3位入賞された方なので、かねてからお名前は存じておりまして、いつかクララの曲を演奏されるかなと楽しみに待っておりますが、いまだ実現していません。
今回のコンサートはクララ・シューマン・国際ピアノコンクール入賞20周年記念の一環で開催されるようですね。チケットが完売なのに、3号さん用に1枚用意されたのは、3号さんのご人徳でしょうか。あるいは天のクララのご加護か(^o^)
私の方は以前の仕事を定年で退職し、現在は土日に休めない仕事に就いている関係で、コンサートに出掛ける事が無くなりました。私の分までコンサートを楽しまれて来て下さい。
[990] 久しぶりのコンサート
投稿者: 3号
投稿日: 2019/12/05(Thu) 00:29
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1号さますっかりご無沙汰をお許しください。 朝夕は寒くなりましたがお変わりございませんか。
遅くなりましたが「クララシューマンご生誕200年記念」おめでとうございます。
今、母の一周忌で帰省しておりますが、本日、最寄りの駅構内の掲示板で赤松林太郎さんのピアノ演奏で「愛の主題」〜クララとロベルトの物語」というチラシが目に留まりました。早速予約の電話を入れてみましたらチケットは完売というお返事でしたが・・・「一枚ご用意しますのでお出かけて下さい」というお返事がとても嬉しくて♪12月14日出かけて参ります。
故郷の秋もそろそろ終わり木立は冬の準備を始めております。 季節の変わり目ご自愛くださいませ♪
[989] Re[988]: イサータ・カメー=メイソンのデビューCD
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/11/11(Mon) 20:27
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イサータ・カネー=メイソンIsata Kanneh-Mason でした。失礼しました。
[988] イサータ・カメー=メイソンのデビューCD
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/11/11(Mon) 20:22
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先日、ハリー王子の結婚式でチェロを弾いた人がイギリスで話題になったらしいのですが、今度はその妹だったかがデビューCD出したようで、クララ・シューマン作品集です。 イギリスで話題のファミリーなので、これで初めてクララの曲聴くという人も多く出るでしょう。
肝心の演奏なのですが、アップルミュージックでソナタを聴きましたが、当たり障りのない、ちょっと引いたような感じです。なんとなくきれいだけど、クララの曲に内在する多様な、そしてシューベルト同様急速に変化していく感情の、うれしさも、そして深い悲しみも、聴こえてこないのです。このCDもまた、私がクララのソナタの譜面をはじめて読んで、弾いた時に感じた、深い心の世界とは遠いものでした。 私はクララ・シューマン作品のCD演奏の殆どに大きな不満を感じでしまう人間で、このCDの演奏も結局不満足なのでソナタしか聴いていません。なので本当は何とも言えないのですが。。。
追記)私が納得して聴ける演奏は、私が今まで聴いた限りでは ・ペネロペ・クロフォードのピアノトリオ ・シェレンベルガーのOp.22 ・ビオンディのOp.22
です。ですが、ビオンディは「あと2年遅く録音してくれたらどんなに幸せになれるのだろうか?」と思ってしまい、最後までまだ聴けていません。。。
納得できないもののまあOKのCDとしては ・Beenhouwer ・Eugenie Russo のJ.B.Streicherでの演奏(これで私はクララの曲を知りました。ソナタを自分で弾いていた時は「これをコピーしようとしているのでは?」と悩みましたが、数年経って私の音楽を認識してから聴いたら全く違うことがわかりました。)
などです。
[987] Re[986]: 国立音大楽器博物館で知るウィーン式6オクターブ半フォルテピアノの変遷
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/10/18(Fri) 21:25
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クラリスト68号さん
書き込みをありがとうございます。
ピアノの構造に興味を持ったことがないので、話題について行けないところがありますが、先日のCD解説書の確認など、私の持っている資料でお役に立つことがあれば遠慮なく言って下さい。
[986] 国立音大楽器博物館で知るウィーン式6オクターブ半フォルテピアノの変遷
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/10/17(Thu) 23:22
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6オクターブ半の音域は、ベートーヴェン、シューベルトの末期からショパンの時代までピアノの音域の定番になりますが、時代を下るにつれて楽器の構造はどんどん重くなるようで、例えばグラーフの楽器は時代を下るにつれてどんどん重くなっていくようです。国立音大の博物館には、展示スペース不足で展示はされていないものの、1840年製の「鉄骨付き」のグラーフがあるそうです。低音弦と、全体の真ん中あたりに鉄骨のフレームが入っていて写真を見る限り高音部分にはプレッシャーバーのように思われる骨組みもありました。(ちゃんと現物を見せてもらいたいものです。)
一方、1823年頃に製造されたシャンツ(ハイドンがピアノを導入した後ウィーンで使った製作家。イギリスではクレメンティー社の前身のロングマン(ギターなども作ってたらしい)のピアノを使っており、またその以前にはウィーンとアイゼンシュタットでイギリスのシュディ(ジョン・ブロードウッド の先生兼妻の父親)のペダル付きチェンバロを使っていました)の6オクターブ半の楽器も隣にありましたが、それは本当に軽そうで、同じ音域でありながら全く性格の異なる楽器と思われます。
国立音大には1839年のグラーフのコピーもありましたが、こちらは鉄骨なしの木製の楽器です。ですが1820年代前半のシャンツよりはかなり重い感じでした。 ショパン時代のプレイエルもその音域のものが隣にありましたが、やはり大きく性格が異なります。たぶん。 クララ・シューマンは1838年製のグラーフをクララ・シューマンの結婚祝いとして受け取っていて、ウィーンの楽器博物館にありますが、鉄骨があったかどうかはウィーンでは見て来れませんでした。写真を見ると国立の「1840年製鉄骨グラーフ」は楽器の裏の部分が複雑だったと思います。同じ部屋にあるシャンツの単純な板が張られた楽器の裏とはかなり違っていました。
[985] Re[983][982]: ファニーのDas Jahr 録音
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/10/06(Sun) 22:15
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葛西氏のCDですが、CD会社のtalent(ボベスコなど結構有名な演奏家のも出ていたのですが)が解散したそうで、それまではキングレコードが代理店をしていましたが今後ますます入手が難しくなると思われます。 このサイトを見ている方で欲しい方がいらっしゃいましたら私にご連絡ください。本人に連絡いたします。
葛西氏、日本では(ヨーロッパでも?)Das Jahr全曲のコンサートはしていないようで、宮崎でも抜粋でしかやってないようで、どこかでやらないのかな〜と思っています。私もなんとか実現させたい、とずっと思っているのですが。(私もがんばりますので、どなたか協力してくださる方はいらっしゃいませんか?)
[984] Re[983][982]: ファニーのDas Jahr 録音
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/10/06(Sun) 22:12
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クラリスト1号様
ご返信ありがとうございます。わざわざBiesemansのCD解説書を確認まで頂き恐縮です。プレイエルグランドでドイツ物もいいですね。ドレスデンにも工場があったらしいですし(そこでベヒシュタインがピアノ製作を学んだそうです)。今度「ショパン時代」のプレイエルグランドを弾く機会が多分あるので、ショパンやフィールド、ルイーズ・ファランクのほかファニーやクララ、無論フェリックスもローベルトなども弾いてみれればと思いました。
[983] Re[982]: ファニーのDas Jahr 録音
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/10/06(Sun) 19:06
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クラリスト68号さん
取り急ぎ、Els BiesemansのCD解説書を確認しました。
CD録音に使われた1851年のプレイエルはグランドです。写真を添付します。
葛西氏とお知り合いとは、凄いですね。葛西氏のCDは入手困難で、暫く時間が掛かりました。
[982] ファニーのDas Jahr 録音
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/10/06(Sun) 13:24
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クラリスト1号様
話の内容がグラーフのフォルテピアノから飛んできましたのでタイトルをつけ直しました。
私は、以前はピアノを弾いておりましたが、3度にわたる首への暴力事件の被害にあった、と言う経緯から弾くのをやめておりますので、今は何も弾けません。
ファニーのDas Jahr ですが、別館ファニー資料室にも掲載されて頂いておりますが葛西寛俊Hirotoshi Kasai氏というピアニストが出したCDがあり、実は葛西氏は私の家族と親の代から付き合いがある方で、私の先生の1人でもあります。
私が、何か不安げに(申し訳ありません)「最近ねー、クララ・シューマンのピアノソナタやってるんですよー」と話したら「いや、ちょうど私も今ファニーでCD売り出そうと思ってて」と言う話をしたのが数年前です。CD解説書にもありますが、August Försterのピアノで録音したそうです。 最初CD会社の方からは、「クララとファニーでCDを出してほしい」と言われたそうですが「クララ・シューマンの曲あんまり面白くない」と最初思ったそうで、それでファニーだけにしたそうですが、クララのピアノソナタは「これいいね〜」とおっしゃっておりました。 Das Jahrの録音はFurore Verlag の初版を用いたそうで、異稿の解説が出ていないので、その後私が図書館に出かけて自筆のファクシミリを見て「1月のエンディングが印刷譜と全く異なる」と電話で伝えたところ驚いておられました。
Furore Verlagからはファニーのピアノ四重奏曲の楽譜もあり、それを見てみたらびっくり!なんと(おそらく)フェルトペンで手書きしてコピーして印刷なんです。。。無論最近はコンピューター割付になってます。
別館ファニー資料室を見ていてもう一つ気になったことがあります。 フォルテピアノでの録音で、Els Biesemans という演奏家の録音があり、アップルミュージックで何度か聞いたことがあります。 配信サービスではナクソスの1部を除き解説書は見れませんので、どんな楽器かな?と思いまして、演奏家のウェブサイトを見ていましたら、ファニーの曲をJoseph Brodmannのフォルテピアノで演奏したビデオがあったので、CDもそれかな?と思っておりましたが、そちらのサイトに掲載されていたジャケット写真、1851年プレイエル、と書かれているではありませんか!
そして、さらに面白いことに、再び演奏家のウェブサイトを見たところ、プレイエルはグランドピアノとスクエアピアノをそれぞれ所有してらっしゃるようですが、1851年のものはなんとスクエアピアノでした。ブロートマンの演奏動画に映っておりましたプレイエルっぽいグランドピアノは二台ありましたので、本当かどうか分かりませんが、もしかしたらあのCD、スクエアピアノでの演奏の可能性があるのでは?と思いました。解説書には何か記載はありましたでしょうか? 最初はブロートマンと思い込んでおりましたが、「ショパンモデル」時代のプレイエルとわかって、ウェブサイトに載っているBiesemans氏のブロートマン演奏動画との音の不一致に納得がいきました。ただ、CDの音の雰囲気はなんとなくグランドっぽいなぁ?と言う気もします。
長くなって申し訳ありませんが、スクエアピアノの話が出ましたのでついでにです。長いことピアノ弾いていなかった私ですが、もともとフォルテピアノが好きだったのと、軽い鍵盤のフォルテピアノなら多分弾ける、と言うことで、フォルテピアノの購入の交渉を今しています。 「好きな作曲家はハイドンとシューベルト、でシューベルトとクララ・シューマンにはすごく思い入れがあって、なおかつメンデルスゾーン姉弟も弾きたい、でもどちらかと言うと古典派よりのものが欲しい、鍵盤も出来るだけ軽いもの」となるとウィーン式6オクターヴ半の初期の楽器、という線が見えてきますが、600万円とか800万円かかるので到底無理です。
ということで、現在ブロードウッド のスクエアピアノの購入を交渉中です。イギリス製のスクエアピアノなら状態の良いオリジナルがかなり安価に手に入りますので(イギリス式アクションでも、エラールやプレイエルなどのスクエアピアノは非常に珍しく高価だそうです)。
いずれブロードウッド でファニーやクララも弾いてみたいです。イギリスのピアノならイギリス系作曲家の発掘も面白そうですが。
[981] Re[980][979][978][977][976][975][974][973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/10/04(Fri) 19:13
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クラリスト68号さん
Gerd Nauhausさんについての説明と、クララ、ファニーの楽譜の情報をありがとうございます。 ピアノをはじめ、楽器を弾けない私にはなかなか目に留まらない情報なので感謝致します。
[980] Re[979][978][977][976][975][974][973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/09/30(Mon) 00:19
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クラリスト1号様
こちらこそ、お忙しい中ご返信ありがとうございます。私は6年前、クララのソナタを弾こうとして挫折しただけの者で、彼女についての知識などではクラリスト1号様には遠く及びません。
Gerd Nauhaus 氏ですが、ブライトコップフのいくつかのクララ・シューマンの楽譜で校訂を務めている方です。ソナタの校訂もNauhaus 氏でしたので名前を知りました。 クララのソナタをはじめて弾いた時の夢のような感覚は忘れられません。あの時感じた深い和声的感覚、微妙なタイミングで表現されるべきアーティキレーションなど、あの時の感動はある種の啓示でした。 何年も忘れていましたが、今年、とある演奏家を聴いて(クララの曲は録音してない方ですが)それを思い出せたのには本当に感謝しています。
ファニー・メンデルスゾーンと違って、クララ・シューマンはブライトコップフから原典版が出ているのでかなり良い状況と言えると思います。ファニーのDas Jahr については、Furore Verlag から1990年頃だったかに出版された初版譜において、自筆譜のファクシミリ(同じくFuroreから出版された)と大きく相違点がある部分(1月の終わりの部分など)があり、にもかかわらず校訂報告での説明がないなど大きな問題があるので、ブライトコップフ版が出ている範囲でのクララ・シューマンの資料状況についてはありがたく思っているところです(Furoreも改善しているようで、私はまだ見ていませんが、Das Jahrについても改訂版が出ています)。
[979] Re[978][977][976][975][974][973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/09/20(Fri) 21:07
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クラリスト68号さん、こんにちは。
いよいよ深遠な話題になってきましたね。お恥ずかしながらGerd Nauhaus氏のお名前も知りませんでしたし、西原さんの著書も読んだことがありません。
1877年製のグロトリアンの状態とか、1879年のグロトリアンが交差弦かどうかは実物を見ないと分からないでしょうね。
お役に立てなくて申し訳ありません。
[978] Re[977][976][975][974][973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/09/18(Wed) 18:48
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クラリスト1号様
こちらこそ、大変ご丁寧な返信ありがとうございます。
クラリスト1号様からのご教示で気づきましたが、確かに1877年製のものは岡山の楽器ですね。写真を見たことがありますが、交差弦であったと思います。そして、西原さんの本をよく見たところ、似たような、あるいは同じ写真でした。角度的にも交差弦です。 という事は、西原さんの著書の内容が間違っているのかもしれません。ピティナのサイトにも「エラールはブロードウッドで修行した」と言う、ちょっと違うらしいことを書いてらっしゃる方なので、どうなのでしょう?
武蔵野音大の博物館は休館中なのですね。なかなか内部の鉄骨の角度が見えないのですが、蓋に反射しているのを見ると角度的に交差弦ではないか?と言う気がします。
シューマンポータルに出ている1879年のものも中が見えないのが残念です。あの写真に写っているJ.M. Nauhausさんって、ピアノソナタの初版の楽譜校訂などをしているGerd Nauhaus氏の関係の方でしょうか? 先日、私のベヒシュタインを売却した際、委託販売したお店の方がこの岡山の楽器が最初に日本に来たときに輸入に携わったそうで、ちょっとですがお話を伺うことができました。状態も悪かったし、購入した人が探した修理屋さんが修理したそうですが「**(都市名)修理でね〜」とかおっしゃっておられました。。。その後また岡山の方がさらにオーバーホールしてらっしゃるので、どんな状態なんでしょうね。
[977] Re[976][975][974][973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/09/14(Sat) 16:50
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クラリスト68号さん、こんにちは。
仕事の関係で在宅は二日に一回なので、お返事が遅れました。クララの200回目の誕生日は、中秋の名月を見ながら、外回りで仕事していました。
1877年製のグロトリアンは製造番号3306で、以前椿山荘に置いてあったピアノですね。2000年に私は一度演奏を聴きに行きました。ピアノの構造にまでは興味が無かったので、内部写真はありませんが、このホームページの写真集に幾つかの写真を載せています。このピアノの詳細は以下のリンクに詳しく書かれていますが、、、
https://www.liu-mifune-art.jp/exp05b
このサイトの写真によると、平行弦ではなく交差弦の様です。一方の武蔵野音大に保存されているグロトリアンは1871年製で85弦、1877年製の88弦よりも3弦少なく、こちらは平行弦かも知れません。どちらのグロトリアンもクララ・シューマンが所有した物だそうです。1877年製の3306の方は状態が悪く、大掛かりな修復がなされましたが、その際に殆どオリジナルを保っていた1871年製のグロトリアンを分解研究して修復の参考にしたというあたりも、上記のサイトに記載されています。
[976] Re[975][974][973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/09/13(Fri) 08:57
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昨日の投稿、該当書籍より写真を引用しようかと思いましたが、画像が登録されてませんでした。そうしましたら、注意書きでメーカーサイトの画像はご遠慮くださいとの事でしたので、そのまま画像なしとさせていただきたいと思います。
一体鉄骨フレームの平行弦というのは本当に興味深いです。 武蔵野音大の「クララ・シューマンのグロトリアン」も見に行く必要がありそうですね。 岡山のは、交換された部品が多いとどこかから聞いたことがあります。
よろしくお願いいたします
[975] Re[974][973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/09/12(Thu) 22:27
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コメントありがとうございます!
今日市民図書館で見つけた「ピアノの誕生 増補版(西原稔)」と言う本によれば、クラーラの1877年製グロトリアン=シュタインヴェーク(写真は該書から)は、総鉄骨フレームでありながら平行弦の楽器のようです。
いくつかのページを拾って読んでみましたが、クラーラはリストが嫌だったとか書いていたような気がします(数時間前に読んだのに曖昧な記憶で申し訳ありません) 。 ただ、「伝統を守り抜いたベーゼンドルファー」とか、ちょっと曖昧な表現や、いろいろな言い伝えについても引用元が書かれていないなど、ちょっと不満点もある感じです。 マティアス・アンドレアス・シュタインやグラーフで育った彼女には、晩年に現れた交差弦・総鉄骨の巨大な楽器はどう見えたのでしょうね。。。
いよいよ明日200回目の誕生日ですね。 なかなか納得できる演奏が多くなく、私はフォルテピアノも持ってないので、とりあえず譜面を読んで、そして、クラーラや或いはショパンの精神を最も現代に伝えてくれてると私が信じる方のシューベルトとフェリックス・メンデルスゾーンを聴いて過ごそうと思っています。
[974] Re[973][972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/09/10(Tue) 16:13
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クラリスト68号さん
こんにちは。
歴史の中で徐々に広まっていった金属フレームが、果たしてクララのグラーフに使われていたかどうか、、となると、現物確認しないと結論が出ないかも知れませんね。私はここまで気にしたことが無いので、とても勉強になりました。
クララのグラーフがグラーフ社から贈呈されたのは1840年との事なので、年代だけから推定すると可能性は低いとは思います。
謎は深まるばかりで、ウィーンに行かないと結論は出ないでしょう(笑)
[973] Re[972][971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト68号
投稿日: 2019/09/08(Sun) 18:13
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クラリスト1号様
お返事ありがとうございます。彼女のグラーフの中がわかる写真はないですか。。。
グラーフといえばイメージ的に鉄骨フレームはないですが、国立音大のグラーフ? には金属フレームらしきものが写真で見えるのでhttp://www.gs.kunitachi.ac.jp/collectiondb/j_cack0447.html
クララの楽器はどうなのかなと思ったところです。「クララの楽器に金属」というのはピティナのサイトhttp://www.piano.or.jp/report/02soc/nshr_19th/2009/09/11_9319.html でしたが、このページでは「エラールがブロードウッド で修業した」という話(影響は大いに受けているが、工房に弟子入りしたことはない筈)も出ていて信憑性に疑問を持ちます。
ウィーンの楽器博物館で販売中の、クララがブラームスザールのオープニングで演奏したJ.B.Streicherで録音されたCDが私とクララの出会いでした。クララがあんな風に弾いていたかは私はわからないのですが。。。 あの楽器、CDの写真をよく見ると交差弦で驚きます。
[972] Re[971]: Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/09/06(Fri) 15:35
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ОЕ-Триста сорок триさん、はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
暫く外出していたもので、お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
さっそく、クラリスト68号として登録させて頂きました。今後ともよろしくお願いします。
さて、ご質問のグラーフのフォルテピアノの写真ですが、「conrad graf」で画像検索すると内部を含めて沢山の写真がヒットします。生憎クララ所有のグラーフそのものの内部写真は見当たりませんが、グラーフ全般の写真を見ると、金属フレームは見当たりません。またWikipediaでは、グラーフでの金属使用は極一部に限られ、間接的に金属フレームは使われていないとの説明があります。
一方、クララの楽器はグラーフだけではなく、J.B.Streicher、Breitkopf & Haertel Concert Grand、Grotrian Steinweg等もあり、グロトリアンなら金属フレームが使われているようです。
ご参考まで。
[971] Clara Schumanns Conrad Graf fortepiano
投稿者: ОЕ-Триста сорок три
投稿日: 2019/09/04(Wed) 11:08
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昨日に続けての投稿失礼いたします。クララ・シューマンが使っていた、1838年だったかのグラーフのフォルテピアノですが、蓋の中が分かる写真はどこかにありますでしょうか? ウィーンの楽器博物館にあり、私も見たことがありますが、ピアノのふたが閉まっており中の様子が分かりません。 翌年1839年製のグラーフ、かつて日本文化財団が持っていた楽器ですが、それは写真を見たことがあり、金属フレームは入っていませんでした。しかし、「クララ・シューマンの楽器に金属のフレームがある」と言う話をどこかで目にしました。間違っているのではないのか?とは思うのですが、確認したいのです。 どなたかご教示いただけませんでしょうか?
[970] はじめまして
投稿者: ОЕ-Триста сорок три
投稿日: 2019/09/03(Tue) 10:44
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はじめまして。ちょうど10年前にクララ・シューマンの楽器と作品に出会い、その後ファンを続けています。
私にクララ・シューマンが伝えてくれたこと? を、現代に具現化してくれたとある奏者と、彼女の(昔の)友人のヴァイオリニスト、そのふたりが生まれた1968年にちなんで、よろしければクラリスト68号でお願いします。
[969] Re[968]: ありがとうございました!
投稿者: クラリスト1号
投稿日: 2019/07/10(Wed) 20:26
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萩谷由喜子様
伝記の出版をご連絡頂いてから、弊サイトでのご紹介まで約3ヶ月も掛かってしまい、申し訳ありませんでした。仕事の関係でなかなかまとまった時間が取れず、遅くなってしまいました。
しかし、時間を見つけて拝読した時の歓びはひとしおで、一気に読み通してしまいました。お陰様でクララへの理解が一層深まった気がします。
こうなると、萩谷様の執筆によるファニーの伝記も読んでみたくなります。
今後益々のご研究とご活躍をお祈り申し上げます。
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