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クララ&ローベルト・シューマンのロマンス
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シェレンベルガー(オーボエ)、クーネン(ピアノ)
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レーベル;CAMPANELLA MUSICA(日本) |
入手性;国内現行盤 |
CD番号;CAMP-8001 |
お気に入り度;★★★★ |
録音年月日;1995年6月 録音;DDD |
資料的貴重度;★ |
収録時間;70分46秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
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ローベルト・シューマン 3つのロマンス作品94(オーボエとピアノの為の)
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ローベルト・シューマン 4つの歌(オーボエとピアノの為の編曲)
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あなたは花のように(ミルテの花作品25の第24曲)
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間奏曲(リーダークライス作品39から第2曲)
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森の語らい(リーダークライス作品39から第3曲)
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月夜(リーダークライス作品39から第5曲)
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クララ・シューマン 3つのロマンス作品22(オーボエとピアノの為の..原曲はVnとPf)
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ローベルト・シューマン 3つのロマンス作品28(ピアノの為の)
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ローベルト・シューマン 幻想小曲集作品73(オーボエダモーレとピアノの為の)
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ローベルト・シューマン アダージョとアレグろ作品70(オーボエとピアノの為の)
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ローベルト・シューマン 二つの小品
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夜の歌(小さな子供と大きな子供の為の12の連弾小品作品85の第12曲の編曲)
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嘆き(小さな子供と大きな子供の為の12の連弾小品作品85の第6曲の編曲)
コメント
これは実に良いCDです。
ベルリンフィルの首席オーボエ奏者のハンスイェルク・シェレンベルガーによるオーボエの音色は、妖艶な女性の肉声のように表情豊で、本来オーボエでも演奏できるように書かれた曲はもちろん、歌曲、あるいはヴァイオリンの曲をも極めて魅力的に仕立てています。歌曲から編曲された4曲は、ドイツ語の分らない私にはソプラノ独唱よりも魅力的に聞こえたりします。更に感心するのは、中間に挟まれたローベルトのピアノの為の3つのロマンス作品28。オーボエの音色は魅力的ですが、ず〜っと聴き続けると耳につくのもまた事実。それを緩和するかのように柔らかい音色のチャーミングなピアノ曲が挟まれて、食間の素敵なお口直しの様な役割を果しています。3つのロマンス作品28だけを聴くならもっと魅力的な演奏もあると思いますが、ここでの作品28はこの後に続くオーボエの曲への前奏曲であり、それに相応しい心配りがされています。CD一枚による演奏会として考え尽くされた選曲と演奏と言えましょう。このCDはシューマンおたく学会&クララ・ファンクラブ公認推薦盤です。
さてこのCDでは、クララのヴァイオリンとピアノの為の3つのロマンス作品22をオーボエで演奏し、このCDのメインディッシュに据えています。その出来は飛びっきりの極上!最初のフレーズが流れた瞬間から、この曲が本来はオーボエの為に書かれた曲で、ヴァイオリンの演奏が亜流と思わせるほど自然なのです。ヴァイオリンよりも音域が肉声に近いからでしょうか、あるいはシェレンベルガーの力量でしょうか、ヴァイオリンによる演奏よりも音の表情が豊かに聞こえます。非常に気に入りました。この演奏が良いとなると、チェロなどによるロマンス作品22も聴いてみたくなりますが、今のところヴァイオリンと、このオーボエの演奏以外はCDが無いようです。(注記:2001年7月にチェロとピアノによるクララの作品22を収録したCDが発売されましたが(こちら)、あまりお勧めできる演奏になっていません。)
ローベルトのもともとオーボエでも演奏できる作品の素晴らしさは言うまでもないと思いますが、とりわけ作品70は透き通るような空気感を思わせる演奏と申し上げておきます。
このCDの解説を書いたピーター・コッセが、クララについて人並みならぬ理解を示していますので紹介しておきます。
「連作として編まれたロマンス作品22は優れた才能の確実な証拠であることはもちろん、女性解放の記録ともなっている。クララ・シューマンは演奏家としての才能もさることながら、創造芸術家としてもかなり物で、天才である夫と並ぶ位置を占めることができる存在である。そのことは、この作品がテーマ的に夫との関連を示しながら、自分の主張、個性に溢れていることからも明かであろう。ローベルト・シューマンが楽器の選択で見せた自由さは、今日の演奏家にとって、彼女の作品にもそのまま当てはめることができる。」
このCDは2001年9月現在、国内現行盤で、大手CDショップ店頭で買えます。
Modified in September 2001
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