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Robert & Clara Schumann
Works for Oboe and Piano
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Joris Van Den Hauwe (Oboe, Oboe D'amore),
Jean-Claude Vanden Eynden (Pf)
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レーベル;ETCETERA |
入手性;輸入現行盤 |
CD番号;KTC 5252 |
お気に入り度;★★★★ |
録音年月日;2005年8月21-22日 録音;DSD (SACD) |
資料的貴重度;★ |
収録時間;58分48秒 |
音質 ;★★★★ |
収録曲
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ローベルト・シューマン;三つのロマンス 作品94
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ローベルト・シューマン;民謡風な5つの小品 作品102
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クララ・シューマン;三つのロマンス 作品22(オーボエとピアノの為の..原曲はVnとPf)
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ローベルト・シューマン;幻想小曲集 作品73
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ローベルト・シューマン;アダージョとアレグロ 作品70
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ローベルト・シューマン;夕べの歌 作品85-12
コメント
良いCDです。
Joris Van Den Hauweはブリュッセル王立音楽院を卒業後、ベルギーを中心に活躍しているオーボイストで、CDも何枚か発売されています。Jean-Claude
Vanden Eyndenはブリュッセル生まれのピアニストで、協奏曲奏者、あるいは室内楽伴奏者として数多くの録音を残しており、またブリュッセル音楽院で教鞭もとっています。
この二人が演奏するローベルトとクララの音楽は、オーボエの音を十分に楽しませてくれるもので、大きな不満を持つ人はいないと思います。基本的にテンポをやや緩やかにとり、音に微妙な表情を与えて情感を込めた演奏になっています。
録音はDSD。つまりスーパーオーディオCD(SACD)で、多分世界初のクララの曲が入ったSACDだと思います。それだけに「音質には拘った」という印象の音になっていて、16ビットの普通のCDプレーヤーで聴いても豊かな音場を感じられます。ただSACDらしさを強調するためか高音重視のトーンバランスになっていて、長時間繰り返し聴いているとオーボエの音が刺激的に聞えてくるかも知れません。またこのSACDはマルチチャンネル録音になっていますが、生憎私がそれに対応した再生システムを持っていないので、マルチチャンネルでどのように響くかは未知数です。
オーボエでローベルトの曲を演奏するCDは数多いので個別の評価は省略して、クララの作品22「ヴァイオリンとピアノの為の三つのロマンス」に焦点を絞ってコメントしましょう。
第1曲、ゆっくりとしたメロディで、情感をたっぷり込めて歌い上げます。Hauweのオーボエは要所でテンポを一層落とし、デクレッシェンドを交えた豊かな持続音でタメを作って音楽を作っています。
第2曲、曲はアレグレットですがテンポはアンダンテのようで、演奏の性格も第1曲と同様に、要所でテンポを落として情感を込めています。
第3曲、Leidenschaftlich Schnellと指示された曲なので一転してテンポが速くなり、推進力をもって演奏されます。要所でテンポを落とす特徴はこの曲では殆ど目立ちません。比較的淡泊な第3曲です。
この曲のリファレンスになっているシェレンベルガー/クーネン盤と聴き比べてみましたが、一聴した限りでは殆ど甲乙つけ難い出来栄えになっています。傾向としてはシェレンベルガーの方がビブラートを多めに使い、またテンポの変化がやや大きめで、「感情に沿って妖艶な女性が歌っている」感じが強くなっています。裏返せばHauweの演奏はテンポの変化がシェレンベルガー程には大きくなく、ビブラートは目立たない程度に使い、持続音の中の微妙な音の変化で情感を表現しています。単独で聴くと余り感じませんが、シェレンベルガーと聴き比べてしまうとやや淡泊に聞えてしまいます。個人的にどちらが好きかと言われれば、やはりシェレンベルガーの方が一枚上手の様な気がします。
とは言え、演奏は高水準で良いCDだと思います。
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