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Robert & Clara Schumann
2 Violin Sonatas, 3 Romances
Op.22
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Fabio Biondi (Vn), Luigi Di Ilio (Pf)
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レーベル;Opus 111(フランス)/東京エムプラス(日本) |
入手性;国内/海外現行盤 |
CD番号;OPS 30-77/MOPS 3077 |
お気に入り度;★★★★ |
録音年月日;1992年4月27-28日 録音;DDD |
資料的貴重度;★★ |
収録時間;64分23秒 |
音質 ;★★★ |
収録曲
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ローベルト・シューマン ヴァイオリンソナタ第一番 イ短調 作品105
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ローベルト・シューマン ヴァイオリンソナタ第二番 二短調 作品122
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クララ・シューマン ヴァイオリンとピアノの為の3つのロマンス 作品22
コメント
ビオンディは1750年製のバロックバイオリン(P.A.Testore)を、イリオは1846年製のフォルテピアノ(Erard)を弾いています。この二つの古楽器がもたらす響きは素朴で、味わい深いものがあります。ふたりの演奏はかなりの熱演ですが、他のCDの様にはヒステリックな響きにならず、ローベルトの二つのソナタは今までにない喜びを私に与えてくれました。
しかし、より大きな驚きはクララの3つのロマンスです。響きが素朴なだけではなくテンポが極めてゆっくりしていて、ひとつひとつの音符の表情が浮かび上がり、より女性らしい優しい雰囲気が強調されました。まるで今まで聴いたことの
無い新しい曲の様です。
第1楽章冒頭の演奏は、ゆっくりとゆっくりと歩く感じで、ヴァイオリンとピアノが優しくささやくように語り合います。このゆったりとしたテンポは第1楽章全体を通じて保たれます。そして立ち止まるようなテンポでも間延びすることなく、香り立つような音符の表情を聴けることはさすがと言うほか有りません。第2楽章はテンポの速い楽章ですが、Biondiは一般的なテンポで弾いていますが、それでも他に勝る優しさに満ちた響きを聴けるのがオリジナル楽器の良さ。取り分けピアノの優しい響きがこの楽章をチャーミングにしています。第3楽章はまたまたゆったりとしたテンポに戻り、艶やかなヴァイオリンの後で弾かれるピアノの緩やかに打ち寄せる波のようなアルペッジオが立体的に浮かび上がります。
他のCDと比べるととてもゆったりとしたテンポながら、決して間延びしない豊かな音楽性に満ちたこの演奏は、極めて高い存在感を持つ名演と思います。
オリジナル楽器で演奏したクララのCDには、Streicher
Trioによるピアノ三重奏曲、Fenny Zaharieva-Maleevaによるピアノ曲がありますが、これらの中ではBiondi盤がヴァイオリン、ピアノ共に最も現代楽器に近い響きを持っていて、さほど違和感を感じることなく、しかし明快なオリジナル楽器ならではの素朴さを味わうことが出来ます。
このCDは2001年9月現在も現役盤で、国内の大手CDショップの店頭で見つけることが出来ると思います。なお国内盤は輸入盤に簡単な日本語解説を加えた物です。
Updated in September 2001
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